前回は、内田樹先生に『下流志向』のその後の若者についてお伺いしました。今回は、日本企業が若者とどう付き合うべきか、というテーマでお話を頂きます。また、大学3年生がちょうど就職活動時期に入ったということで、就職活動の若者たちにアドバイスも頂きました。

内田 樹
うちだ・たつる。1950年東京生まれ。1975年東京大学文学部仏文科卒業。1982年東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。東京都立大学人文学部助手、神戸女学院大学文学部総合文化学科助教授、教授を経て、2011年に退職。同年、神戸市に武道と哲学のための学塾凱風館を開設。主著に『ためらいの倫理学』(角川文庫)、『レヴィナスと愛の現象学』、『他者と死者』(文春文庫)『寝ながら学べる構造主義』(文春新書)、『死と身体』(医学書院)、『街場の教育論』(ミシマ社)など。『私家版・ユダヤ文化論』で第六回小林秀雄賞、『日本辺境論』で第三回新書大賞、2011年に第三回伊丹十三賞を受賞。神戸女学院大学名誉教授。昭和大学理事。日本ユダヤ学会理事。合気道兵庫県連盟理事。合気道七段

バブル世代と団塊ジュニアは日本最弱の世代

内田 樹(以下、内田):私は今の30代後半から45歳前後の世代が、申し訳ないですが、“日本最弱の世代”と考えています。

原田曜平(以下、原田):世代論でいえば、バブル世代、団塊ジュニアあたりの世代ですね。

内田:この世代は、わりと豊かな時代に生まれ、上の世代にうっとうしい人が多いので、文句ばかり言う。基本不機嫌で、えぐるような批判がうまい、“ものを壊していく人たち”。批判して壊していくことに、ある種の爽快感があるのかもしれない。壊すのはいいけれど、「じゃあ、何作るの?」と聞くと、結局既存のシステムを利用する。大学の世界でも壊せ壊せと言った挙句に、いつの間にか大教授になっている人がいる。サブカルチャーと言っていたわりには、すっかりメインカルチャーになっている。今の若者の感覚で言えば、その世代に対する不信感は大きい。今の20代は、僕ら60代となじみがいい。30代後半から40代前半が60代を嫌い、今の20代はこの30代後半から40代前半を嫌う。中抜きで20代と60代が仲良くなるという構図。「やっぱり、昭和的なものはいいですよね」などと互いに話せたりする。今の20代は幻想として、戦後が一種の黄金時代だと神話的な感覚でイメージしている。貧しくても、皆が助け合っていた時代があったと感動するわけです。