2012年10月25日、阪急うめだ本店(大阪市北区)が2期棟を先行オープンした。全館の8割にあたる売り場が開業。オープン初日は開店を待ちわびた客約20万人が押し寄せ、初日の売り上げは約18億円を記録。2日目以降も大勢の人が来店し、特に食品売り場とレストラン街には長い行列ができた。

 大阪市内に住む56歳主婦は「改装中は梅田のほかの百貨店でも食品を買っていたが、これからは阪急メインで買う。今まで見たことのない商品がたくさんそろっているので楽しい」と話す。

 人気洋菓子を購入する列に並んでいた西宮市の主婦も「子供のころから阪急一筋。売り場が縮小されてしばらくは足が遠のいていたが、これからは来る回数が増えそう。人が多くて全部の売り場は見きれていないが、期待していた通りの印象」と語った。

 新しい阪急うめだ本店は“劇場型百貨店”がコンセプト。売り場の2割を非物販空間とし、「モノを売る小売業」からライフスタイル情報を提供する「情報リテイラー」への転換を図る。

 開業にあたり、阪急阪神百貨店の内山啓治阪急うめだ本店店長は、「顧客の需要に対応する従来型業態ではなく、欲望を刺激する新しい業態を目指す。その手応えを感じている」と話した。一方で、2130億円の売り上げ目標に対しては「高めのハードル。決して楽観視はしていない」といい、“劇場型百貨店”というコンセプトが顧客にどこまで通じるかが成否を分けるという考えを示した。

 新生・阪急うめだ本店は、西宮阪急や博多阪急で成果を上げているイベントスペース「コトコトステージ」や、ターゲットの関心事を軸に売り場を編集する22の「ワールド」が大きな特徴。9~12階には4層吹き抜け空間「祝祭広場」を設けるなど、「居心地のいい空間で滞留時間を長くし、買い回りを促すことで購買につなげていく」(内山本店長)。

 3階「インターナショナルデザイナーズ」の一部ブランドと自主編集売り場、8階「スポーツファッション イングス」など、1~4階、7~11階の1期棟は改装工事中。11月21日に全面開業する。同店は地下2階~地上13階で売り場面積8万平米。初年度は約5000万人の来店を見込んでいる(コンセプトとフロア構成については(記事「新・阪急うめだ本店“モノ売らない空間2割”の狙いは?)」を参照)。

 今回は2期でオープンした注目の売り場を徹底解剖する。

7年の建築工事期間を経て2期棟が先行オープンした「阪急うめだ本店」。1階正面玄関口
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1階コンコースにショーウインドーが復活。横8メートル、高さ9メートル、7面の大型ショーウインドーは圧巻
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9階「祝祭広場」では、オープニング企画としてオーケストラの指揮を体験できる「拡張現実オーケストラ」を実施中
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13階レストラン街の外には芝生を敷き詰めた屋上広場が広がる。ステージでは多彩なイベントを予定
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かつて1階コンコースにあったシャンデリアと巨匠・伊東忠太による壁画は、13階のカフェ&レストラン「シャンデリア テーブル」に移設。アーチ型天井も再現された
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