サイズはXS(15k~25kg対応・9660円)からXL(90k~130kg対応・1万500円)の5種類。最も売れているのは成人男性を対象としたLサイズ(60k~90kg・1万290円)だが、子ども用サイズへの質問も多く、家族4人分を購入する人も多い(画像クリックで拡大)

 この夏、直立の姿勢で水中に浮遊できる「リリーフ ライフジャケット」が登場し、話題となっている。販売元のセキノレーシングスポーツ(神奈川県鎌倉市)渡部昭仁氏によると地方自治体でのプレゼンをきっかけにテレビで紹介されたことから、7月27日の発売前から問い合わせや購入希望が急増。生産が追い付かず、入荷待ちも出ているという。

 最大の特徴は、海に落ちた衝撃により体の前後に付いたフローティングボードが自動的に開き、水中に直立で浮遊できること。通常のライフジャケットが仰向けに寝そべった姿勢になるのに比べ、顔が水面に出ているので泳げない人でもパニックになりにくい。また、前後のフローティングボードが障害物への衝突を和らげてくれる効果もあるほか、意識を失った状態でも呼吸を確保できるので生存率を高めることが期待できるという。

 直立浮遊というアイデアは台湾の会社が開発したもの。マリンスポーツ関連商品の卸売り業や海外サーフブランドの代理店などをしている同社は2年前、この商品の原型に出会い、日本での販売を視野に入れ、共に改良に取り組み始めたという。そんな時、東日本大震災が発生し、多くの人が津波の被害に遭ったことから、防災の重要性を改めて実感。肩や前後の反射板や前面ポケット、非常用の笛、ジャケットが脱げないよう股に固定するバンドなどを加え、より安全性を高めたという。

 防災対策として沿岸部周辺に住む人からの問い合わせが多い。「静岡県磐田市や袋井市の消防関係者からも関心を寄せていただいています。静岡沿岸部在住の友人によると小学校でも各家庭でライフジャケットを用意するよう指導するほか、企業も防災対策に積極的に取り組んでいるようですね」と渡部氏。また、孫用に購入したいという高齢者や、沿岸部にある高齢者福祉施設やサーフショップからも問い合わせがあるそうだ。

 自治体の場合、過去に事例がないと、なかなか予算に組み込んでもらうのが難しい一方で、事例ができれば、横のつながりなどから大きな反響につながる可能性があるという。「今後は、個人のお客様はもちろん、学校などの自治体、沿岸部付近にある企業やアミューズメントパークなどにも広く呼びかけていきたいですね」と渡部氏は話している。

(文/池田明子=フリーエージェント)