気になるアーティストのサウンドの秘密を、マーティ・フリードマンが分析するこのコラム。前回に引き続き、今回もユニークなニューフェースたちを紹介していきます。
 現在発売中の「日経エンタテインメント!」9月号(表紙・嵐)では「吉木りさ」「BiS」「PAGE」を分析中。さらにこの「延長戦」では、10代の4人組バンド「THE NAMPA BOYS」、山下達郎をほうふつとさせるシンガーソングライター「ジャンク フジヤマ」、そしてMONKEY MAJIKやGReeeeNと同じ事務所に所属する「石崎ひゅーい」と、男性バンド&ソロ3組をメタル斬りします。

 今年の夏も、J-POPの世界ではホットなニューカマーが続々登場してるよね。今回はそんな中から、3組の注目アーティストをピックアップして、それぞれのサウンドの特徴をチェックしてみます。

 まず1曲目は、長野県松本市出身の4人組THE NAMPA BOYSの『プランジ』。メンバー全員がまだ19歳という、超フレッシュな新人バンドのデビューシングルです。バンド名やアーティスト写真を見て、最初はお笑いみたいな内容だと思ったんだけど(笑)、曲を聴いてみたらちゃんとクオリティーの高いバンドで好きになりました。

 この曲は“脂”が一切ないロックナンバーだね。いきなりサビ始まりの構成で、曲の中に無駄な遊びの部分がまったくありません。ボーカルをはじめ、各メンバーの長所もコンパクトに凝縮されてるから、彼らのことがよく分かる“いい代表曲”なんじゃないかな。

 このバンドの一番の魅力は、迫力満点のボーカルだよね。最近のJ-POPの男性ボーカルってどんどん“キャラ重視”になってきていて、個性派スタイルのボーカルの方が多い気がするけど、このTHE NAMPA BOYSのボーカルは、昔ながらの“正統派”のかっこよさなんだよ。音程のチューニングもしっかり安定してるし、声量もばっちりだから、ライブで聴くと、さらにもっと盛り上がりそうです。

 バックの演奏で特に目立っているのは、ドラムです。特にイントロなんて、「ちょっと非常識かも!?」って思っちゃうくらい、ワイルドに叩きまくってるじゃん。全体のバランスを考えると、曲の頭のドラムは抑え目に始まるのが普通だけど、そんなの関係なしにワイルドにハジけまくってるところがかっこよくて、個人的に大好きです。

 音楽的にびっくりしたのはDメロです。勢いだけが売りのバンドかと思いきや、いきなりノイズ系のサウンドが出てきて、まるでベテランのロックバンドが使うような技をさりげなく取り入れてるんだよ。19歳という年齢のわりには、音楽に対する知識がすごく豊富みたいだから、今後の進化がますます楽しみなバンドだね。

THE NAMPA BOYS
『プランジ』
7月11日発売のミニアルバム『froM』に収録。「間奏のギターフレーズは、僕の耳で聴くと、ちょっとアイアン・メイデンっぽい(笑)。本人たちは意識していないのかもしれないけど、“ギターキッズ”の魂を感じました」
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