麻倉怜士(あさくら・れいじ) デジタルメディア評論家、日本画質学会副会長、津田塾大学講師(音楽)

 前回は「お持ち帰りCD」という、ライブコンサートの生の感動をそのままCDにして持ち帰れる新たなスタイルのメディアを、ご紹介しました。今回も新たに生まれようとしているディスクコンテンツの潮流を紹介しましょう。

 最近、従来と同じディスクの形を取りながら、これまでのディスクメディアにはできなかったことに挑戦しようという流れが出てきました。その一つの典型が「BDM」です。2011年11月にエイベックスから発売された浜崎あゆみの『FIVE』というブルーレイ盤がその第一号に当たります。ブルーレイ盤なのですが、2011年8月に発売されたCD盤と同じパッケージを採用しています。

 パッケージメディアとしてCDを見た時に、CDの「音楽」という機能だけではなかなか先に行けません。そこでBDに着目したのです。BDならBD-JavaとBD Liveが使える(※)ので、それによってCDにはできない体験を得られるとのではないか。新しい概念のディスクができないかと、米バーニングランドマンマスタリングの日本支社が考えたのです。

※BD-Java、BD Live……BD-Javaは、ブルーレイタイトルのインタラクティブなコンテンツを実現するための基盤技術のこと。高度なアニメーションを用いたメニュー画面やピクチャーインピクチャー、インターネットアクセスによるインタラクティブ機能(ゲームなども含む)など、さまざまな機能を提供できる。インターネットアクセスを含めた技術やサービスを総称して「BD Live」と呼ぶ。