乾燥、グレージングを経て完成までに10カ月

 なめしの後は乾燥だ。急激に乾かさず、1週間かけて繊維の中まで乾かす。干し方も革が左右均等に引っ張られるように逆ハの字にフックを掛け、同間隔で吊るすなど、細かいこだわりが随所に見られる。

 乾燥後は繊維の中のタンニン分をしっかり定着させるため、さらに4カ月間寝かせる。

第1工場の2階にずらりと並ぶコードバン。1週間この状態で乾燥させる
[画像のクリックで拡大表示]
逆ハの字にワイヤーをかける
[画像のクリックで拡大表示]
乾燥後、布をかけて4カ月寝かす
[画像のクリックで拡大表示]

 4カ月後のコードバンは乾燥しているが、ぶ厚く、表面にゆがみもある。これを平滑にして、独自の光沢を生み出すのがグレージングという最終工程だ。この作業もベテランの技が生きる。機械を足で踏んで動かすため、足の裏の感覚で革の厚みが判断できなければならないのだ。

 原皮輸入から10カ月後、手間暇かけてようやく完成するコードバン。この後、染色、裁断、縫製を経て、製品に姿を変えるわけだが、「うちは他社ではしていない工程が多い。それだけ時間や手間をかけていい革を作っている」と、染色を担当する金田光泰工場長は語る。

 馬1頭からランドセル2個分程度のコードバンしか取れない。製革工程を見て、「キング・オブ・レザー」「革のダイヤモンド」と呼ばれる所以が分かった。

グレージング作業でツルツルの表面になり、独特な光沢を放つコードバンが完成する
[画像のクリックで拡大表示]
ランドセルスケール。スケール内が無傷でなければランドセルには使えない
[画像のクリックで拡大表示]
1951年創業の新喜皮革。世界的に知られるコードバンはここでつくられる
[画像のクリックで拡大表示]
日経BPセレクションにて購入できます。
詳細は下記サイトにて紹介中です。
コードバン メンズロングウォレット(新喜皮革)

(文/井垣節子、写真/水野真澄)


「日経トレンディ」8月号のご案内
【第1特集】「格安エアライン&高速バス&格安クルーズ 安心で得な選び方」
【第2特集】「クラウド&Wi-Fi 最強の活用術」

日経トレンディ 日経トレンディ 8月号
7月4日発売
定価:550円(税込み)
発 行:日経BP社

日経BP書店で買う

AMAZONで買う