約85×54mmというサイズの超小型パソコンが、大きな話題を呼んでいる。商品名は「Raspberry Pi」(ラズベリーパイ)。英国のラズベリーパイ財団が、次世代のIT技術者の育成を目的に開発、販売している商品だ。国内販売の仲介はアールエスコンポーネンツ(横浜市)。購入するには、まず同社のウェブサイトで自分のメールアドレスを登録。その内容は英国にあるアールエスコンポーネンツ本社に転送され、在庫確保のめどが立った段階で案内メールが届く。案内メールに従って注文すると、国際便で商品が届く。
動作周波数700MHzのシングルコアCPUと256MBのメモリーを搭載し、USB端子やSDカードスロットなどの各種端子を備えている。ディスプレイやキーボードは付属しないので、別途用意する必要がある。低価格であることも特徴。「海外製品のため為替レートによって価格は変動しますが、送料も含めておおむね3000~3500円程度で購入可能です」(アールエスコンポーネンツ広報の鴫原義和氏)とのことだ。
ただしこの製品、パソコンに詳しい人でないと使いこなすのは難しい。動作に必要なOS(基本ソフト)があらかじめ入っていないので、ラズベリーパイ財団のサイトで無料配布しているOSイメージをダウンロードする必要がある。このOSイメージをSDカードに入れ、それを本製品に装着すれば起動できる。OSの種類はLinuxだが、標準で日本語入力に対応していないなど最低限の機能しかない。自力でさまざまなソフトウエアをダウンロードして環境を整える必要がある。
2月下旬に同社が予約を開始したところ、4月17日の発売日まで5000件もの注文が殺到する大人気に。「初回販売ロットが2000個でしたから、発売前からすでに在庫不足でした」(同)。発売後も注文は増加し続け、7月現在でもいまだに品薄状態。購入希望者には、入荷ごとに先着順で購入案内を連絡する、という状況が続いている。
その購入者の多くは、IT機器のエンジニアたちだ。「小型で安価で、この大きさに対して高性能のため、さまざまな機器に組み込んで使う人が多いようです。タッチパネルと組み合わせてタブレット端末を自作したり、ロボットの制御に使ってみたりと、様々な使い方をされていますね」(同)。一般人には手を出しづらい気もするが、鴫原氏は「自分のパソコンのメモリーを増設したり、パソコンを自作したりした経験がある人なら、興味を持って楽しめるのでは」と話す。
自分次第で多彩な用途が見出せる超小型パソコン。様々な自作ガジェットに姿を変えて、街にあふれる日は近いかもしれない。
(文/森石 豊=Office Ti+)
初出で購入方法の本文記述が、一部事実と異なっていました。該当箇所は第1段落末尾です。お詫びして訂正いたします。[2012/07/13 9:30]



















