ますます個性派の新人アーティスト探しに力が入るマーティ・フリードマン。今月も、これぞというユニークなニューフェースを紹介してくれます。
 現在発売中の「日経エンタテインメント!」8月号(表紙・武井咲)で「住岡梨奈」「Rihwa」「rieco」の3組を分析中。さらにこの「延長戦」では、とにかくボーカルがカッコいい女性ソロ「渋沢葉」、東京藝大出身の成田ハネダを中心とした女性ボーカルバンド「パスピエ」、そして9mm Parabellum Bulletと同じ事務所に所属する「cinema staff」の3組をメタル斬りします。

 今回も、注目の新人アーティスト3組のサウンドを聴き比べてみました。

 まず1曲目の『世俗的狡智』は、23歳の女性シンガーソングライター、渋沢葉さんのデビューミニアルバム『せきららら』からのリードトラックです。この曲のプロデュースは、チバユウスケ(元THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、現The Birthday)さんが担当しています。

 彼女の音楽の魅力は、まずなんといってもボーカルが最高にかっこいいことだね。自信満々な歌いっぷりにくわえて、セクシーで挑発的なところもあります。もし平原綾香さんに“ロックの魂”があったら、こんな声になるじゃないかな。

渋沢葉
『世俗的狡智』
6月20日リリースのデビューミニアルバム『せきららら』に収録。「PVも見たけど、シンプルな作りの中に、強烈な“ヤバい”存在感を感じて、すごくかっこよかった。今月の僕の“いちおしアーティスト”です」
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 曲の方は、長さが約3分半しかなくて、構成もすごくシンプルです。でも、彼女のボーカルの“カリスマ感”がすごいから、3分半じゃ物足りなくて、もう一回聴き直したくなるんだよ。僕なんて、最初に聴いたとき、いきなり3回も連続リピート再生しちゃったくらいです。

 サビの部分の作りは少し変わっていて、「Somebody Help Me」っていう英語の歌詞が何度も繰り返されます。ちょっとしつこいくらいの繰り返しなんだけど、これがキャッチーで、すごくクセになるんだよ。J-POPにしては珍しく、サビのボーカルが“低音”なのも注目してほしいポイントです。

 後半に出てくるギターソロも、素晴らしいね。メロディーが不安定で、音色的にもちょっと怖いような雰囲気が漂ってるから、「ひょっとして、この女の子、ヤバいかも!?」っていう、危ないムードがさらに強調されてるじゃん。新人とは思えないくらい“本物”の完成度を感じるアーティストだから、今度はライブもぜひ見てみたいです。