今回は全世界的にCDをはじめとするパッケージメディアが退潮傾向にある中で、元気のある新しい取り組みについて紹介しましょう。

麻倉怜士(あさくら・れいじ) デジタルメディア評論家、日本画質学会副会長、津田塾大学講師(音楽)

 現在は世界的にパッケージメディア市場が厳しい状況にあり、米国では毎年数十%レベルで売り上げが下がっています。米国では2006年に大手チェーンストアのTower Recordsが破綻しました。

 一方、日本にも音楽配信が出てきていますが、ディスクメディアに対する信仰のようなものが残っており、欧米がひじょうに退潮傾向にあるなかで日本はまだCDが堅調に推移しています。

 その理由の一つには、AKB48のようなアイドルものの新しい売り方などもあるでしょう。しかしそれ以外にもSACDが復活し、今回お話しする新しい種類のCDが登場しました。「BDM」や「BDオーディオ」など、新しいアプリケーションも出ています。パッケージメディアにとって、実はおもしろい時代を迎えているのです。

 その一つのきっかけは、逆説的ですがパッケージビジネスが全体的に衰えてきたことにあります。衰退市場をそのまま衰えさせるのではなく、それをバネにして新しいアイデアを入れることで飛躍できないのか──追い詰められ、そう考えだしたわけです。