ポップスだけでなく、クラシックやジャズにも最適

 奥田民生さんで大成功を収めたお持ち帰りCDは、これからの音楽産業が目指す一つの重要な方向を指し示しているのではないかと思います。この取り組みは日にちを経るに従って評判が高まり、最終日にはほかのアーティストのマネージャーなど音楽関係者も増えたそうです。アーティストの売り方はさまざまですが、CDを売る、ライブを開催する、ラジオ・テレビに出るという活動とはまた違う、それらをミックスした新しい売り方であり、新しいコミュニケーションであると思います。各社はかなり注目していて、ディー・アンド・エーにはうちでもやりたいという話がきているそうです。

 一口に音楽といってもいろいろなジャンルがあります。例えば(即興演奏のパートが多い)ジャズなどはまさに生ものそのもので、毎回特徴が変わるため、1種類のパッケージでは意味がありません。ブルーノートで昨日演奏したものと、ほかのライブステージで演奏したものとでは違うのです。極端な話、すべての演奏がCD化を待っています。

 クラシックのコンサートなども、行っているとおもしろい現象があります。最近はラン・ラン(中国出身のピアニスト)などのビッグアーティストでも、コンサート後にサイン会をやるのです。有名な指揮者やピアニストなどが、CDを買うとサインをしてくれるのです。

 今まではあまりなかったと思うのですが、ファンとのつながりを今まで以上に大事にしないと、世界的な名演奏家というのだけではダメなのでしょう。クラシックの世界でも、演奏家の方からユーザーに近づいているという現象があります。

 熱心なファンにとっては、そのアーティストが3年前に演奏してCDになったものではなく、今日聴いたあの名演奏をまた聴きたいと思うでしょう。もしクラシックコンサートのお持ち帰りCDがあったら、それにサインしてもらいたいと思うはずです。

 そのほかにも演歌や韓流スターなど、しっかりとしたファン層があるアーティストであれば確実な販売数が見込めると思います。購入にファンクラブの会員登録が必要となれば登録のインセンティブにもなるし、ファンクラブだけの宝物になるでしょう。