山中詩乃選手 写真:二宮渉/フォート・キシモト
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 近代五種という競技をご存知だろうか?

 あまりなじみのない名前かもしれない。しかしこれは、古くは紀元前708年に古代オリンピックのペンタスロンの競技記録を見ることができるほどの歴史のある競技だ。近代オリンピックでは1912年の第5回ストックホルム大会で、近代五種は正式競技となった。近代オリンピックの父と呼ばれるピエール・ド・クーベルタン男爵が提案したのが始まりと言われ、男爵はこの近代五種を「スポーツの華」と評したとも言われている。特にヨーロッパにおいては、ステータスの高い競技として人気を博している。

 近代五種は、その名の通り1人の選手が1日に五種の競技を行うものだ。その内訳は

■フェンシング(エペ・総当たり戦)
■水泳(自由形・200m)
■馬術(障害飛越)
■コンバインド(レーザーピストル射撃+3000m走)

 で、まったく異質な五種目(コンバインドが射撃とランニングで二種目)に挑むことが分かる。つまり、優れた身体能力とスキル、そして集中力が必要とされ、高いレベルで競技を行うにはかなりの練習時間が必要となるのだ。

 ところが日本には、近代五種を始めてわずか1年半(正確には1年7カ月)でロンドンオリンピック(以下ロンドン五輪)代表になった女性選手がいる。

 自衛隊体育学校に所属する山中詩乃選手だ。