【60代 大人だからこそこだわりたい文房具】英国製ノート、万年筆、革カバー

スマイソン「A5リフィルパッド」8190円、セーラー万年筆「プロフィットレアロ万年筆」3万1500円、T.MBH「懐菱ノートカバー B6」4万4000円
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すべて透かしが入った超高級用紙のノート

スマイソン「A5リフィルパッド」8190円

英国王室御用達の紙と革製品の店スマイソンのA5サイズの左綴じノート。伝統のFeatherweight Paper使用。130ページ
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これが、Featherweight Paperには必ず入れられている透かし
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セーラー万年筆「プロフィットレアロ万年筆」で試し書き。インクが印刷されたかのように定着している。もちろん裏写りもない
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 ロンドンのニュー・ボンド・ストリートにある「スマイソン」は、大人の書斎の常備品をそろえる店。そのスマイソンの創業者である、フランク・スマイソン氏が1892年に発明したのが、Featherweight Paperという、手帳専用紙。手帳に必要な紙は、薄く軽く、しかし破れにくく裏写りしにくくなければならない。その条件をクリアして、ポケットに入る手帳を作ったのがスマイソンだ。

 「A5リフィルパッド」にもまた、Featherweight Paperが採用されている。その証としてページにはすべて透かしが入っている。またブルーの用紙もまた、スマイソンの特徴だ。

 実際に書くと、超高級紙ならではで、万年筆のインクがスーッと紙に吸い込まれてピタリと定着するのが分かる。ほかにはな良い書き味。まるで文字がその場で印刷されるような感覚は、「万年筆で紙に書くというのは本来、こういう体験だったのだろう」という感覚を呼び覚ます。自分では買いにくいけれど、もらえるなら、とてもうれしいノートだろう。

インク吸入機構を内蔵した丈夫で親から子へと伝えていける1本

セーラー万年筆「プロフィットレアロ万年筆」3万1500円

インク回転吸入機構を備えた万年筆。色は、写真の黒のほかマルンがある。ペン先は細字、中字、太字を用意(マルンは細字と中字)。受注生産の長刀研ぎバージョン(3万6750円)もある
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通常のペン先
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長刀研ぎのペン先。ペン先先端のペンポイントが大きな長刀研ぎは、ペン先の向きに応じて細くも太くも書き分けられる
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 ペン先の書き味の良さで定評のあるセーラー万年筆が、ロングセラーの人気商品「プロフィット」シリーズにインク吸入機構を内蔵したのが、「プロフィットレアロ」だ。インク吸入式の豊潤なインクフローと、21金を使った柔らかなペン先の組み合わせは、とても繊細な文字が書ける万年筆を作り出した。

 筆者は万年筆はインク注入時のわずかな時間を除けば、インク吸入式の方が、カートリッジ式よりも使いやすく、故障にも強いと思っている。万年筆のように、父から子へ、孫へと伝えていける製品は、長く使える方がうれしいのだ。そういう意味でも、インク吸入式を推す。

 中でも、この「プロフィットレアロ」は、受注生産でペン先を、多分、現在最も日本語を書くのにスムーズなペン先である「長刀研ぎ」(3万6750円)にすることも可能なのだ。海外製品では味わえない、「とめ」や「はね」「はらい」が思い通りに書ける「長刀研ぎ」のペン先も、きっと大量にインクが入る「プロフィットレアロ」でより活きるはずなのだ。

ノートカバーとしての使い勝手と機能を実現するための高い技術に脱帽

T.MBH「懐菱ノートカバー B6」4万4000円

表はクリスペルカーフ、内側はノブレッサカーフを使用。色は表をワイン、黒、焦げ茶から、内側をピンク、濃紺、焦げ茶、深緑から選べる。サイズは写真のB6(左)、文庫サイズ(右)のほか、A5、B6、クオバディスのダイアリー「ビジネス」「エグゼクティブ」と、ロディアの「No.11」「No.12」「No.13」用がある
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内側のペン挿しはクリップを深く挿せるタイプなので、ペンがしっかり固定される
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 革のノートカバーのポイントは、しっかり開き、きちんと閉じること。矛盾するようだが、背のカーブの加工技術や革そのものの扱い方によって実現可能なのだ。そのお手本のようなノートカバーが、「懐菱ノートカバー」だ。

 開く際には抵抗なくスッと開くが、閉じると中途半端に開くことなく、しっかり閉じた状態で落ち着く。ペン挿しに万年筆などを挿しておくと、それが重しになって、さらにキレイに閉じる。だから、使っていても開閉にストレスがない。ということは、筆記時もキレイに開いて書きやすく、鞄に入れてもパカッと開いて邪魔になったり、中の紙が折り曲がったりすることが少ないということ。ノートカバーの重要な役割だ。

 しかも、表側に使われているクリスペルカーフは堅牢で、中のノートをしっかり守るし、深くノートや本が差し込める構造は、開閉時の一体感を作るため、中のノートがブレない。単純に良い革を使って高い技術で作ったという製品ではなく、ノートカバーとしての使い勝手と機能を実現するために高い技術が使われている、そう評価するべき製品だ。

(文/納富廉邦)