「ZEUS〈サンダースパーク〉」オープン価格(想定小売価格130円前後)(画像クリックで拡大)

 新刺激成分「ティングリング成分」を配合したチューインガム「ZEUS〈サンダースパーク〉」が大ヒットの気配を見せている。ロッテが2012年3月27日に発売した商品で、「これまでのミント系チューインガムにはない新しい刺激が受ける」と見て、全国のコンビニやスーパーなど流通の協力を得て、10万カ所以上の売り場を確保した。一般的なチューインガムの新商品は初回出荷数が200万~300万個なのに対し、この商品は約700万個を出荷したという。

 チューインガム市場は、ボトルガムが定着した2004年をピークに、その後は前年度割れが続いている。危機感を抱いたロッテが調査したところ、ガムを食べる機会が最も減少しているのは、20代男性であることが判明した。さらに20代男性をターゲットに嗜好を分析したところ、「これまでに見たことがないような新しいもの」「かっこいいもの」を直感的に手に取る傾向が強いことがわかった。「そこで従来の、品質のよさや機能性価値の訴求という手法ではなく、直感に訴えることで彼らの感性を刺激する手法に挑戦した」(同社)という。

 未体験の刺激を実現するため、同社が着目した成分の1つが「ティングリング成分」。ティングリングとは英語で“ヒリヒリ・チクチクする感覚”という意味で、舌の痛点を刺激することで刺激を感じられる新しい香料成分だ。このティングリング成分配合のソフトキャンディーを、刺激と相性のよいスペアミントをベースにバニラとメントールのアクセントを加えたガムで挟んだ3層構造に仕上げた。かんだ瞬間に力強い刺激が口の中を駆け抜け、その後にミントの爽やかさが長く続くのが特徴。パッケージもインパクトとおしゃれ感にこだわり、漆黒の空に光る激しい稲妻を大きくプリントした斬新なデザインにした。

 ターゲットである20代男性が「かっこいい」と思う、とがった感性の商品にすると、万人向けではなくなるという危惧もあり、「ガムであることが分かりにくい」という意見もあったという。「当初のコンセプトやターゲットをぶらさず進めたことと、新たな刺激の基準を提示できたことが、ヒットにつながったのでは。これまでのガムの刺激では満足できず、ガムから離れていた層も購入しているようだ」(同社)。購入者からは「明らかにこれまでのガムとは違う」という感想が多い。好評につき同社では、強い冷涼感が感じられるようにメントールとクーリング成分を配合した第2弾「スノーストーム」を4月に発売。こちらも好調だという。

(文/桑原恵美子)