人間誰しも美しく生活したいと思っている。それは見た目だけじゃない。中身から美しくということだ。
 それはクルマも同じである。今どきクルマを実用性だけで買う人はいない。だったらトラックやバンでいい。そうではなく、乗る人の身体はもちろん、時には頭や心まで気持ち良くしてくれるから買うのである。それはスタイリングであり、走りであり、質感であり、ブランド性であり、知的興奮を誘うエピソードである。クルマはある意味、五感で味わうプロダクトだ。だから楽しくも難しいのである。
 というわけでこの“ビューティフルカー”では私、小沢が美しさや知的エピソードを中心にクルマを語っていこうと思う。

【コンセプト】「元祖」と「ニュー」のいいとこ取り

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フォルクスワーゲンAG デザイナーのクリスティアン・レスマナ氏
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 「取締役会が決めたんですね。方向性を定める上で、ルーツに戻ることが必要だと。新しくはあるけれど、初代ビートルを彷彿とさせるものがいいだろうと」

 来日した担当デザイナー、クリスティアン・レスマナ氏は語った。

 海外においては実に14年ぶりのリニューアルとなる元祖リバイバルカー「ザ・ビートル」。注目は1998年登場の前身「ニュービートル」が4代目ゴルフベースなのに対し、今回は最新型6代目ゴルフがベースになって、走りやインテリアクオリティーが相当向上したということと、やっぱりデザイン路線のチェンジだ。

 実は実車が発表されたのは私も行った去年の上海ショーだが、“なぜ上海か”が気になったし、相変わらずモダンでキュートではあるが、よく見るとイメージがかなり異なっている。

ザ・ビートルは2011年の第14回上海モーターショーで発表された
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