最近はアイドルやK-POPなど、新顔で目立つのはボーカルグループばかり。シンガーソングライターやバンドの新顔はちょっとおとなしく感じます。

 そんななか、期待のニューカマーを探そうと立ち上がったのが、我らがマーティ・フリードマン。カッコいいバンド、唯一無二の歌声を持つシンガーなど、注目の新人をピックアップしてくれました。現在発売中の「日経エンタテインメント!」6月号では「小南泰葉」「家入レオ」「春奈るな」という3組の歌姫を分析したほか、この「延長戦」では、ドラムを叩いて歌う「シシド・カフカ」、4人組ガールズバンド「赤い公園」、そして女性ボーカルのギターロックバンド「ピロカルピン」の3組をメタル斬りします。

 J-POPのシーンでは、今年も期待のニューカマーが続々登場してるよね。その中で、僕が最近聴いて気になった新人の女性ソロシンガーは、小南泰葉さんと、シシド・カフカさんの2人です。

 このうち、5月に『嘘憑きとサルヴァドール』でメジャーデビューする小南泰葉さんの音楽については、5月2日に発売された『日経エンタテインメント!』6月号の連載で詳しく分析しています。よかったら、ぜひチェックしてみてください。

 今回、ここでは、シシド・カフカさんの配信デビュー曲『デイドリームライダー』を取り上げてみたいと思います。

 僕がもらったプロフィール資料によると、彼女は日本人だけど、生まれはメキシコで、中学生時代をアルゼンチンで過ごしたそうです。身長175センチという体型も日本人離れしてるし、「好きなアーティスト」の欄に「山口百恵」って書いてあるのもユニークだね。そういえば僕は昔、ブラジルの日本人街で、山口百恵のVHSビデオを買ったことがあります。ひょっとして、南米では今でも山口百恵が人気なのかもね(笑)。

 シシド・カフカさんがユニークなのは、謎めいた経歴やモデル並みの容姿だけじゃありません。『デイドリームライダー』には、音楽的にも面白いポイントが満載です。

 まず、いちばんユニークなのは、彼女がもともとドラマーで、この曲でも、ボーカルにくわえて、自分でドラムを叩いているということ。しかも、そのプレー内容が、かなり本格的なんだよ! 美人の女の子が叩いているとは思えないくらい、おいしいビートの遊びがたくさん入ってて、いい意味で“変態的”なリズムセンスなんです。

 もうひとつのポイントは、デビュー曲にしては、曲全体のサウンドクオリティがめちゃくちゃ高いこと。特に注目してほしいのは、Bメロのパート。ハモリがわざと不協和音になってて、これまで聴いたことがないような面白いボーカルの音色になってるんだよ。たぶん、いろんな実験を重ねた末にたどりついたんだろうけど、Perfumeや初音ミクに負けないくらいオリジナルな音色で、個人的に「やられた!」って感激しちゃいました。

 彼女はライブでもドラムを叩きながら歌うそうだけど、一体どんなライブ風景になるのかな? 想像がつかないぶん、逆に楽しみです。今度も注目して見守っていきたい、期待の新人アーティストの登場だね。

シシド・カフカ
『デイドリームライダー』
5月16日より配信がスタートする、モデルや女優としても活動するドラマー/ボーカリストのデビューシングル。「洋楽の影響はほとんど感じないけど、かと言ってJ-POPの中にも似ているイメージがない。誰に影響を受けてるのかさっぱりわからないところが、逆に新鮮で面白いね」。
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