4月20日、KDDIはauの新スマートフォン「HTC J ISW13HT」を、5月下旬に発売すると発表した。ほぼ海外モデルそのままだった従来のHTC製端末とは大きく異なり、日本市場向けに特化。ワンセグやFeliCa、赤外線を搭載するなど“完全日本仕様”を実現したHTC Jの登場は、市場にどのような変化をもたらそうとしているのだろうか。

これまでのHTC製端末の評価は?

 HTCは過去に、国内の携帯電話キャリア全てにスマートフォンを納入した実績がある。かつてはWindows Mobile搭載スマートフォン「Touch Diamond」を3キャリアに、そして日本で初めて発売されたAndroidスマートフォン「HT-03A」を提供するなど、多くのキャリアに向けてさまざまなスマートフォンを投入してきた。

 そして最近は、KDDI向けに端末を提供する機会が増えている。その先駆けとなったのが、昨年4月に発売された「HTC EVO WiMAX ISW11HT」だ。日本で初めてWiMAXを搭載したスマートフォンとして話題を呼んだ。さらに昨年10月には、3Dディスプレイを採用した「HTC EVO 3D ISW12HT」を投入している。

 こうした日本市場への積極的な取り組みとは裏腹に、HTCの知名度や人気は高いとはいえない。その大きな要因の1つとして、グローバル向けモデルをほぼそのままの状態で提供し、日本向けのカスタマイズは周波数帯の対応など最小限にとどめていたことが挙げられるだろう。

 KDDI代表取締役社長の田中孝司氏も「ギーク層からは評価や満足度が高かった」と話していたように、いち早くWiMAXを搭載したことによる高速性や独自のインターフェース「HTC Sense」によるレスポンスの高さなどは確かに定評があった。だが、EVO WiMAXやEVO 3Dなどは日本人の手には大きく、ゴツゴツしたデザインであり、カラーバリエーションもブラック系統のみ。とても女性には受け入れ難い。しかもワンセグやおサイフケータイ、赤外線などの“日本仕様”にも非対応であるため、多くの日本人が率先して購入候補に挙げる端末とは言い難かった。

au向けに投入されてきた「HTC EVO WiMAX」と「HTC EVO 3D」 。操作レスポンスの良さなどに定評はあるが、海外モデルほぼそのままのため、大きく無骨なデザインだった
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