この数カ月の間、グリーやDeNAなどが提供するソーシャル・ゲームへの批判をよく聞いた。「無料とうたいながらアイテム課金で稼ぐのはおかしい」、「未成年に膨大な金額を使わせるのは問題」など、それはそれで大事な指摘ではあるが、そうした批判ばかりがメディア上で踊ることに違和感を感じる。ソーシャル・ゲームの日本にとっての重要性も忘れてはいけないのではないだろうか。

米国の新聞記事によると…

 先月、ある米国の主要紙に面白い記事があった。そこでは以下のように書かれている。

・ノースカロライナのある夫婦が去年8月に99セントのiPhone用ゲームを発表したところ、最初はある程度売れたが、すぐに売れ行きが落ちていった。

・9月からは同じゲームを無料にして、「Free App a Day」などのサイトでプロモーションしたところ、一気に有名になり、4000万ダウンロードを記録し、1300万人が1日に1度はゲームをするまでになった。

・それでは、無料でどう稼ぐのか? ゲーム内に新しいキャラクターなどを売るヴァーチャルストアを用意して、ヘビーユーザーにお金を使わせるアイテム課金を行っているのである。この戦略は“フリーミアム”と呼ばれている。

・“フリーミアム・ゲーム”を一躍有名にしたのはジンガという大手ゲーム企業であり、フェイスブック上で大成功して株式公開で10億ドルを集めた。今や、Electronic Artsもかつては有料だったゲームを無料で提供するようになっており、その結果そのゲームに関する収益も向上している。

・今や、アップルのiTunes Store上で発生するユーザの支払い(約20億ドル)の65%がフリーミアム・ゲームでのアイテム課金であるという予測もあるくらいに“フリーミアム”は普及している。

 一読してすぐわかるように、この記事が取り上げている米国のゲームの仕組みは、まさに日本でグリーやDeNAなどが展開しているソーシャル・ゲームそのものである。

 そして、日本では、アバターのアイテム購入を導入したソーシャル・ゲームの元祖と言えるDeNAの「モバゲータウン」が2006年に始まり、2007年からグリーもソーシャル・ゲームの提供を始めている。

 この事実とタイムラグを考えると、もちろん明確な証拠がある訳ではないが、米国のフリーミアム・ゲームは日本のソーシャル・ゲームの仕組みを研究して普及した、平たく言えば日本の仕組みを真似たと考えるべきではないだろうか。

DeNAは「モバゲータウン」を2006年に始めて事業を拡大した。写真は「Mobage」
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