特注のワンボックスカーで販売している。現在は京都市近郊のみでの移動販売だが、今後は大阪府や兵庫県、滋賀県や奈良県など、近県まで移動範囲を広げ、将来的には全国まで拡大したいと考えている(画像クリックで拡大)

 車による移動販売で売っているものといえば、さおだけや焼き芋が思い浮かぶ。この移動販売につえという商品で新たに参入したのが、京都市のつえ屋。さおだけでおなじみの節回しで「つえ屋~つえだけ~」という声を流しながら車で巡回し、つえを販売する。スタートは2月からで、早くも人気を集めている。

 つえ屋の坂野寛社長によると、開始当初の移動販売は予約が中心。地元近郊の老人ホームや特別養護施設、介護施設など、要望があった先に出向く。売り上げは1回の移動販売につき35万~40万円程だ。

 つえは足腰が弱ったりした際に歩行をサポートするものだが、そのつえを買いに行くのも苦労する、そもそもつえを買う環境にない、近くには自分に合ったものを選べるほど商品がない……そんな声が移動販売を始めるきっかけとなった。元々、つえ屋はつえの専門店として色鮮やかなものなど、従来のつえのイメージよりもバラエティーに富んだ商品をそろえる店舗。移動販売車には、店舗から厳選した400本のつえを載せている。

 「お買い上げいただけるだけでも採算が取れてうれしいですが、それ以上にお客様があまり見たことがないきれいなつえを手にして笑顔で喜んでいただけたり、このつえを持って早く出かけてみたいと言っていただけたりすると、無上の喜びを感じることができます」と坂野社長。

 最近は市内を流して営業する機会も増やしており、多いときでは10名以上が購入する日もある。今後はさらに移動販売の回数を増やし、月間で1000万、年間で約1億の売り上げを1台の移動販売車で出すことを目標にしている。

(文/北本祐子)