3月に入り、秋葉原の中古ショップで急激に売り上げを伸ばした端末がある。サムスン電子製のAndroidスマートフォン「GALAXY NEXUS SC-04D」だ。最新OSのAndroid 4.0と、1280×720ドットの高精細表示が可能な4.7型有機ELパネルを搭載した先進的な高性能モデルで、2011年12月に発売されたばかりの現行製品だ。

 だが、急に売れ出したのにはワケがある。白ロムの価格が従来の半額ほどに暴落し、「ほぼ投げ売り状態」になったからだという。最新の高性能モデルがなぜ投げ売りになったのか――。

サムスン電子製のAndroidスマートフォン「GALAXY NEXUS SC-04D」が突然投げ売り状態になり、話題を呼んでいる
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日本向けの機能がなく、本体が大柄なことが嫌われた

 ひと月ほど前まで、GALAXY NEXUSの白ロムは4万円台半ばで売られていた。だが、在庫のだぶつきにより中古相場が急落。じゃんぱら各店では、2012年3月中旬に一気に2万3800円へ値下げした。わずかひと月前の半額ほどの安さだ。じゃんぱら 秋葉原本店の宮島和弘氏は、「大幅な値下げにより売り上げが以前の5倍にも増えた。秋葉原地区の在庫が急減したので、急きょ地方の店舗から在庫を取り寄せたほど」と語る。

一部ショップでは、GALAXY NEXUS SC-04Dの白ロムを2万3800円に値下げしていた
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周辺の競合店でも、2万円台で販売するところがほとんどだ
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 宮島氏は「スペックだけを見れば、この価格は安すぎる。現在の売れ筋となっている『GALAXY S II SC-02C』を買いに来た客が、価格を見てGALAXY NEXUSを選んでいくケースも多い」とも語る。GALAXY S IIの白ロムは3万5000円前後するので、OSや画面サイズで上回る最新モデルが1万円以上も安く買える事態となっているのだ。

OSのバージョンや画面サイズで劣る「GALAXY S II」の方が1万円以上高く売られている
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 GALAXY NEXUSが一気に値下がりしたのは、ほかの最新スマートフォンと比べて端末自体の魅力に欠けることが原因だ。端末は、日本向けのカスタマイズがほとんどなされておらず、ワンセグやおサイフケータイなどの人気の機能や装備を備えていない。16GBの内蔵メモリーを搭載するものの、microSDカードスロットを装備しないのも中途半端だ。高性能なケータイを使い慣れた人には物足りなさを感じさせる。

 本体の大きさも不人気の理由の1つだ。大型の有機ELパネルを搭載しているだけあって、本体はとても大柄だ。手の大きな男性でも片手で持ちながら画面をタッチ操作するのは難しく、特に女性は敬遠してしまう。最新のAndroid 4.0の搭載も、注目を集める要素にはならなかった。画期的な機能が追加されたわけでもなかったからだ。

 その結果、GALAXY NEXUSは量販店や携帯電話ショップの目玉商品として格安で売られることになった。年度末商戦に入ったこともあり、GALAXY NEXUSは新規契約時に0円で販売されるケースが相次いだ。安さにつられて購入したユーザーが機能に不満を感じ、中古ショップに持ち込む客が増えたことで在庫がたぶつき、中古相場が急落して投げ売り状態となったわけだ。

(文・写真/白石ひろあき)


※価格情報は、すべて3月20日調べ。価格は変動する可能性があり、在庫切れになるケースもあります。特記なき場合は税込み価格です。