Facebook(フェイスブック)が5月に株式を上場したら、株式の時価総額は750億ドル(5兆8000億円)になると言われている。ソーシャルメディアの雄の人気と実力がうかがえる金額であるが、しかしフェイスブックが目指すネットの姿が本当に望ましいものであろうか。米国では疑問の声も多く出ている。

フェイスブックのビジネスモデル

 フェイスブックのビジネスモデルは広告モデルである。ユーザが友人と共有するためにネット上に出す個人データを基に、広告主に最適な広告スペースを提供することで広告収入を得ている。

 ちなみに、フェイスブックの昨年の収入37億ドルのうち32億ドルが広告収入であった。同様に広告モデルで収益をあげているグーグルの昨年の広告収入は365億ドルであったことを考えると、フェイスブックの収入が将来的に大幅に増える可能性は大きいと考えられる。

 しかし、同じ広告モデルでも、グーグルとフェイスブックのアプローチは全然違うことに留意すべきである。

 グーグルは、ネットを個人が活動する場と捉え、その個人が検索エンジンで何を検索したか、Gmailで何を書いたかといった情報を基に広告で収益を上げている。これに対してフェイスブックは、ネットを個人が友人などと何でも共有する場とすることで、個人に関するあらゆる情報がフェイスブック上に出て来るよう仕向け、その情報を基に広告ビジネスを行っているのである。

 そう考えるとフェイスブックは、ネットを共有の場にするという社会実験をしているとも考えることができ、株式上場とそこで実現されるであろう巨額の時価総額は、実験の第一段階が成功であったことを意味するのであろう。

 実際、フェイスブックの創始者であるザッカーバーグは、米国のテレビのインタビューで「あなたは映画に一人で行きたい? それとも友達と行きたい? 友達と行きたいはずだ」「我々はすべてのものをソーシャルにしたいんだ」という発言をしている。

 それが信念からなのかビジネスを成功させるためかは別として、極端な表現をすれば、フェイスブックにとってはネット上で個人のプライバシーがなくなることが理想的な状況なのであろう。

Facebookは2月、米証券取引委員会に株式の上場申請をした
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