しかし学校給食といえば、昨年暮れに政府の「とある」関与が大批判を呼んでいました。それは、ピザのトマトソースを「野菜」として認める、というもの。学校給食のガイドラインは、長年にわたって米国農務省が定めていましたが、数年前の法律改定で米連邦政府も学校給食に関して、細かい規定を定めることができるようになっていました。もちろん、この法律は慢性化しつつある子供の肥満を食い止めるために、より健康的な給食を提供するために制定されたもの。ところが、その意図に反してピザのソースを「野菜」だと強引に政府が決めてしまいました。これは、子供たちに「ピザを食べさえすれば野菜と同じ栄養価を摂取したことになるから、健康的だよ」といっているようなもの……。そんな、バカな。

 けれども、こんな理不尽なことは初めてではありません。過去にも政府が学校給食において口を挟んだ結果、調味料が野菜になってしまったり、トルティーヤ・チップスがパンの代わりとして認められたり、フライドポテトが「生野菜」に大変身してしまったり、といったことがありました。いったい子供たちの食生活をなんだと思っているのか、と疑問を持ってしまいますが、この背景には公立学校運営費の削減や、大手食品関連企業の政府への献金運動などが絡んでいるそうです。

 そんな社会問題にまで発展してしまう米国の学校給食事情。ちょっと気になったので、娘たちの学校給食の献立メニューをチェックしてみることに。

 正直、落ち込みました。

 次女の通う小学校では、なんと1カ月のメニューに6回もピザの日がありました。しかも、その中の数日にいたっては、朝ご飯にピザ! その他にも、ホットドッグやら、ハンバーガーやら、チキンナゲットやら……。ファストフードと変わりません(涙)。

ピザは週3回ですが、ハンバーガーは定番で毎日あるとか(涙)
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 長女の中学校になると、さらに恐ろしいことになっています。なんとピザが定番メニューとなっており、火曜日、水曜日、金曜日に提供されているとか。中学校になると毎日サラダメニューがあり、それなりに健康重視の献立といえなくもありません。でも、そのサラダを無視してピザだけを週3回食べようとすれば、それも可能……。

 本気で、これから娘たちには毎日お弁当を持たせた方が良さそうです。

昨年の連邦政府の決定後、ネットに出回ったのがこんな画像。左の三角形は「フードピラミッド」という、米国で使用されているバランスのとれた食生活を促進するための指標。それがピザの一切れと同じ? と皮肉ってます
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著者

クローニン真木(くろーにん まき)

 海外生活が人生の半分を超えてしまった、主婦&看護師兼ライター。日本人アイデンティティーを保持していると信じつつも、近年めっきり周囲からは否定されつつある。現在2児の母で子育てに奮闘しつつ、Narinari.comで執筆を展開。著書に「アメリカの弁護士は救急車を追いかける―アメリカの不思議なジョーシキ114」(宝島社文庫)。現在、月刊誌「この映画がすごい!」(宝島社)、「TOEIC Test プラス・マガジン」(リント)などに記事を提供している。日経トレンディネットでは以前に「アメリカ在住ミセス・マキのUSA『お茶の間』通信」を連載。