犯罪やいじめに巻き込まれるというケースが多発したことから問題視されるようになった未成年の携帯電話によるインターネット利用。かつては「携帯電話を持たせてはいけない」など過剰な規制を訴える声が少なからず見られた。しかし、“ソーシャル”と“スマートフォン”の広まりによって状況は大きく変わりつつある。スマートフォン向けにフィルタリングサービスを提供するシマンテックの例などを見ていこう。
未成年の利用規制が急速に進んだ携帯電話のインターネット
未成年の携帯電話によるインターネットの利用が大きな問題として取り上げられるようになったのは、2007年のこと。この年の12月に、総務省が未成年の携帯電話利用者に対し、親権者の要請がない限りフィルタリングを自動適用する方針を発表したからだ。さらに翌年6月には通称「青少年ネット規制法」が可決され、それまで大きな制限のなかった携帯電話による未成年のインターネット利用に厳しい制限がかけられることとなった。
その要因となったのは、携帯電話のWebサイトで未成年が犯罪に巻き込まれたりいじめに遭ったりするケース、また、メールやSNSなどに依存してしまうケースなど、携帯電話からのインターネット利用にまつわる問題が急増したことにある。総務省のフィルタリング適用方針が示されて以降、これらに対する親世代の問題意識が高まり、携帯電話のインターネット利用を規制するべきという声が急速に拡大していったのである。
その結果、東京や神奈川、埼玉など多くの地方自治体で、フィルタリングサービスを利用しない保護者に対して“理由書”の提出を義務付けるよう条例を改正するなど、未成年に対するフィルタリングを強化する動きが加速した。また東京や埼玉、千葉など9都県市では、携帯電話によるインターネット利用の制限ができる機能や、それを備えた携帯電話端末などに「九都県市携帯電話等推奨マーク」を付与し子供向けに推奨するという動きも出てきている。
しかし、一方で、親世代と子供世代とで、携帯電話のインターネット利用に対する認識の大きなギャップが、過度な利用規制を生む要因にもなっていた。子供世代が携帯電話によるインターネットを早いうちから利用し、日常的なコミュニケーション手段とするなど高いリテラシーを備えた一方、大人世代は携帯電話によるインターネットの利用にほとんど興味や関心を持たず、価値を理解できないケースが少なからず見られたからだ。
その結果、大人世代の“無理解”から負の側面ばかりに目が向けられ、過度な規制がうたわれた。そして、小中学生に携帯電話を持たせない努力義務を保護者に課すという条例を出した石川県のように、未成年の携帯電話によるインターネット利用を過度に規制する動きへと繋がったのである。












