老舗のあめ屋とみそ屋が協力して生み出した「麦みそ飴」が、愛媛県宇和島市で評判を集めている。開発をしたのは創業74年の植村製菓(愛媛県宇和島市)の3代目、植村仁さん。植村さんが手がけるあめは「有平糖(あるへいとう)」という水あめが少ないもので、長期保存も可能なためお土産に向いている。そこに注目した宇和島市の観光課職員から「地元の老舗同士でコラボ商品を作ってほしい」との要請を受けたのが同商品開発の始まりだった。
「もともと個人的にみそを使ったオリジナルのあめを研究していたので、お話を聞いたときはチャンスだと思いました」と植村さんは話す。知り合いのみそ屋に声をかけ、要請を受けてから1週間ほどで現在の商品の原型となるものを作った。それを実際に2011年5月に同市で開催された「海の恋人まつり」で販売したところ、1日で100袋ほどが売れたという。
この販売で十分な手応えを感じた植村さんは、きちんとした商品化へ向けて開発をさらに進めた。そのなかでこだわったのが、あめに含ませる空気の量だった。何度もあめを引き延ばし練って、空気をたっぷり含ませるほど、口どけが滑らかな製品になるが、白く濁った色となり、麦みその繊維や独特の色合いが見えなくなってしまう。試作品を作り、色合いと口どけの両方のバランスを追求したという。
そうして出来上がった麦みそ飴は、淡い茶色で、口に含むとみその味と風味がふわりと広がる素朴な味わいになった。2011年9月下旬から地元の道の駅を中心に販売を開始。最初の3カ月では450袋程度の売れ行きだったが、年末年始のお土産需要で販売が加速し、2月上旬には2000袋の在庫が完売した。現在もその人気は衰えておらず、急ピッチで追加生産をしているところだという。
1月下旬からはネット通販も始まっており、今後ますます人気に火がつきそうな同商品。「いつか宇和島を代表するお菓子になれれば」との熱いを胸に秘め、植村さんは今日もあめを作り続けている。
(文/磯田大介=Office Ti+)











