人間誰しも美しく生活したいと思っている。それは見た目だけじゃない。中身から美しくということだ。
それはクルマも同じである。今どきクルマを実用性だけで買う人はいない。だったらトラックやバンでいい。そうではなく、乗る人の身体はもちろん、時には頭や心まで気持ち良くしてくれるから買うのである。それはスタイリングであり、走りであり、質感であり、ブランド性であり、知的興奮を誘うエピソードである。クルマはある意味、五感で味わうプロダクトだ。だから楽しくも難しいのである。
というわけでこの“ビューティフルカー”では私、小沢が美しさや知的エピソードを中心にクルマを語っていこうと思う。
【コンセプト】ジュリエッタは理想のアルファロメオ?
「フォルクスワーゲンがアルファロメオを買い取る」
これはVWグループの元カリスマ経営者、フェルディナント・ピエヒ(現監査役)がかつて抱いていた野望だ。残念ながらフィアットグループの反対もあってか、ご破算になったが、もしも現実にVW車ベースのアルファロメオを作ったら、まさしく“割れ鍋に綴じ蓋”……とんでもなく魅力的なモデルになったことだろう。
ミニマルデザインで、品質感や剛性感はトップクラスだが、いまひとつ華に欠けるVW「ゴルフ」。かたや色気のあるスタイリング、生きのいいエンジン、キレのあるハンドリングなどは誰しも認めるが、今ひとつ信頼性に欠けるアルファロメオ。両者が欠点を補いあったらどんなに素晴らしいクルマが生まれることか。クルマ好きで知られたピエヒ元会長ならずとも、興味が沸いてくるコラボレーションだ。











