去る1月18日、ソフトバンクグループのWireless City Planning(以下WCP)が中国などでの普及が見込まれるTD-LTE方式と高い互換性を持つAXGP方式による高速無線通信サービスの説明会を実施した。ようやく公に姿を見せたWCPとAXGPの実力、そしてこのサービスで何を目指そうとしているのかを確認しよう。

WCPの生い立ちとAXGPの特徴

 まずは、WCPとAXGPの基本情報について確認しておこう。

 WCPは、2010年にウィルコムが経営破たんしてソフトバンクが支援に乗り出した際に、当時ウィルコムが所有し、2.5GHz帯での展開を予定していた高速無線通信事業を切り離し、それを譲渡する受け皿として設立された企業だ。KDDIが出資しており、同社と深い関連性を持つUQコミュニケーションズに近い立ち位置の通信事業者と言える。

 ウィルコムは2009年から、“XGP”という独自の通信方式を用い、2.5GHz帯を使って一部の地域で試験的にサービスを提供していた。XGP方式は、同社が「次世代PHS」と呼んでいたもので、2つの特徴を備えていた。

 1つは、PHSが採用してきた、狭いエリアに多くの基地局を設置し、通信トラフィックを分散する「マイクロセル」。もう1つは、携帯電話で一般的な上り・下りとで周波数帯域を分けて利用する「FDD(周波数分割多重)方式」ではなく、同じ帯域で送信と受信を短時間で切り替え、上り・下りの速度を柔軟に変更できる「TDD(時分割双方向伝送)方式」を採用していることだ。

 そしてこの高速無線通信サービスがウィルコムからWCPに移管された後、XGP方式から「Advanced XGP」、つまりAXGP方式に変え、この方式を用いたサービスを、昨年11月から開始している。AXGP方式は、XGP方式の特徴はそのままに、同じTDD方式を採用しており、かつ中国やインドなど人口が多い国々での採用が見込まれているTD-LTE方式と高い互換性を持たせたもの。将来的なハードウェア調達のしやすさを見込んでの変更と考えられる。

AXGPは、XGPから継承したマイクロセルとTDD方式をベースとして、海外での普及が見込まれるTD-LTEとの互換性を進めた方式となる
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