今月初旬に米ラスベガスで開催された世界最大の家電ショー「CES(Consumer Electronics Show)」。今年最大の目玉は、インターネットに接続し、高度な情報処理能力を備える「スマートTV」だった。世界の主要家電メーカーが軒並み、この種の製品を出展していた。

 最も注目を集めていたのは韓国サムスン。同社のスマートTV用特設ブースには終日、見物客の長い列が途切れることがなかった。デモの様子をビデオ撮影したので、以下に御覧頂きたい。

サムスンが展示していたスマートTVのデモ

 御覧の通り、音声でチャンネルを切り替えたり、ボリュームを上げ下げできる。顔認識やジェスチャ操作もできるが、正直、あまり使い易そうではなかった。音声操作では、最初に「Hi、TV」というコマンドを発声する必要がある。これをトリガーにして音声操作機能が起動され、同時に画面の下部にコントロール・バーが表示される。音声操作をオフにするときも、同じく「Hi、TV」と言う。

 実は、これと同様の音声操作テレビは昨年のCESに東芝が出品していたが、その際のトリガー・コマンドは「Hi、TV」ではなく、ユーザーが両手を叩く「パン、パン」という音だった。この点を除くと、両社の音声操作機能はほぼ同じレベルである。

 ただ筆者はこれらのデモを見ても、あまり強い印象は受けなかった。そもそもチャンネルを切り替えたり、ボリュームを調節する程度なら、従来のテレビ・リモコンで十分だし、その方がむしろ使い易い。今、なぜテレビに音声操作が必要とされているかと言えば、それは放送チャンネルを切り替えるためではなく、ウェブ動画を検索・再生するためだ。

 2010年秋にリリースされた初代Google TV(ソニーなどが製品化した)が不発に終わった一因は、このウェブ動画を検索するために、極めて使い難いキーボード付きリモコンを用意したことであった。「キーボードから文字を打ち込むよりは、声で簡単に動画を検索できた方がいいだろう」という理由から、今、音声操作に注目が集まっているのだ。この点では、むしろ韓国LGが出品したスマートTVの方が本来の趣旨にかなっていた。それは次のような操作方法である。

韓国LGが出品したスマートTVのデモ