「人民の乗り物と言えば自転車」だったのも今は昔。2009年には、すでに自転車に代わって電動自転車が“市民の足”として使われていた。その電動自転車も年を追って姿を変えており、また一方ではマウンテンバイクのブームを受けて一部では自転車も人気になっている。

人気の電動自転車、トレンドは小型へ

 ひと昔前の中国を想像するに、人民服を着て自転車をこぐ集団を思い描く読者もいるだろう。しかし、古い街並みが高層ビルになったように、人気の乗り物も自転車から電動自転車へと変わっていった。電動自転車は、筆者が「2009年度版中国ヒット商品の記事」で紹介したように、2009年にはすでに中国全土に普及していた。あれから2年あまりが過ぎ、シティーサイクル(いわゆるママチャリ)は都市部の街中では滅多に見られなくなった。地域差はあるが、都市部にある自転車屋で販売されているのは電動自転車ばかり。自転車は子供用のみという状況だ。

ガテン系労働者の通勤手段は、今や電動自転車が基本
電動自転車屋さんはあるが、自転車屋さんはレアな存在

 「電動自転車」とひとくくりにしているが、さまざまなデザインのものが有名無名のメーカーからリリースされており、その流行はスクーター型からシティーサイクル型へ、さらに折り畳み自転車のようなタイヤの小さいものへと移り変わっていった。スクーター型の人気が凋落したのは、大都市でスクーター型電動自転車の走行・新規購入が禁止されたため。だが、小都市や農村部にはそういった規制がないので、今後はシティーサイクル型・折り畳み自転車型が大都市で、スクーター型が小都市や農村部でと、売り分けられることになるだろう。

 気になるお値段は、日本で販売されている「電動自転車」よりもずっと安い。ならばバッテリーまわりを日本仕様にすれば日本で売れるかと言うと、これはNG。漢字表記は同じ「電動自転車」でも、日本の電動自転車は人力を補助する「電動アシスト自転車」であり、中国の「電動自転車」は日本では「原動機付自転車」に当たるからだ。

 では、原付としてならどうかという話だが、中国製品の宿命か、交換用の純正バッテリーがないといった脆弱なサポート体制に加え、バッテリーが爆発する心配もある。もちろん、中国だからと言って爆発は当たり前すぎる日常ではなく、ニュースになる程度には珍しいことではあるが……。

中国を代表する電動自転車メーカーのひとつ「新日」は、時代に合わせた製品を数多くリリース
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