ユビキタスエンターテインメント 代表取締役社長兼CEOの清水 亮氏
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 ユビキタスエンターテインメント社長兼CEOの清水 亮氏は「enchant.js/100行から始められるHTML5ゲーム開発」をテーマに、HTML5がスマートフォン用ゲーム開発に与える変化について講演した。

 清水氏は、まず「世界的にHTML5を利用したゲーム開発への動きが進んでいる。開発者の期待も高まっている」と語り、HTML5の波が押し寄せていることを述べた。

 HTML5へのシフトが急速に進む理由を2つ挙げる。1つが、HTML5の機能向上だ。「HTMLといえば、これまでは紙の代替物でしかなかった。だが、HTML5になってさまざまなデータを扱えるようになり、表現力が圧倒的に高まった」と、HTML5の進化が魅力を高めたことを解説。

 Flashにはないメリットも訴求する。「米Adobeから、モバイル向けFlashの新規開発停止と、次世代の主力OSであるAndroid 4.0への非対応が発表されてしまった。Flashは、Adobeがすべてを押さえているので、たとえバグが見つかってもAdobeが対処しない限りは修正されない。HTML5はオープンな規格なので、そのような心配はない。YouTubeやニコニコ動画がFlashからHTML5へと移行しているだけでなく、モバゲーやグリーなどもスマートフォン用のソーシャルゲームをHTML5で作り始めている」と、FlashからHTML5への流れが着実に進んでいることを明かした。

 清水氏は「大手メーカーが作る重量級ゲームを見慣れている若い人は、個人がゲームを作るのは一大事だと思っている。だが、実際はそうではない。弊社が開発した『enchant.js』を使えば、HTML5を利用したゲームがわずか100行のプログラムで作れる」と語る。

 enchant.jsは、HTML5+JavaScriptがベースのゲーム開発エンジンだ。特徴の1つが、クロスプラットフォームであることだ。作成したアプリは、iPhoneやiPadだけでなく、AndroidやPCでも動作する。拡張性が高いのにプログラムが短く書けることもポイントの1つだ。「これまで、プランナーは企画を立てるにとどまり、実際のプログラミングはプログラマー任せだった。だが、enchant.jsがあれば、企画書しか書いてこなかった人もゲームのプロトタイプが作れる。遊びながらあれこれ試していたらゲームができた、という声も寄せられている。『速くて軽くて気持ちがよく、プログラミングが楽しくなる』」と清水氏は語る。

 同社は、若いプログラマーの育成と発掘を目的にしたゲーム投稿サイト「9leap」を運営し、アプリ開発を後押ししている。「かつて、日本では『読み、書き、そろばん』が大事な教養とされてきた。だが、インターネットやスマートフォンが普及した現代は『読み、書き、プログラミング』になるだろう。今後、ゲームは誰でも作れる時代になる。ゲームを作ることを一種のゲームとして楽しめるよう、プログラミングを魅力的な習い事にしたい」と、清水氏は今後の抱負を語った。

(文/磯 修=日経トレンディネット)