オープンウェブ・テクノロジー 代表取締役社長の白石俊平氏
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 オープンウェブ・テクノロジー社長の白石俊平氏は「HTML5の基礎と最新動向」と題して、HTML5の普及がスマートフォン用アプリに与える影響を解説した。

 白石氏は「Web関連の技術は、さまざまな優れたオープン技術で支えられている。なかでも、現在もっとも注目すべきがHTML5だ」と語る。「2011年5月に仕様がほぼ固まり、未来の技術だという印象は薄れた。パソコン用ブラウザーでは、Internet Explorerがバージョン8まで非対応となっているのがネックだが、スマートフォンはほぼすべてが対応しており、スマートフォンにうってつけ」とした。

 HTML4以前は機能が圧倒的に足りず、スマートフォンの専用アプリ(ネイティブアプリ)に機能面で負けていた。だが、HTML5は機能が大幅に拡張された。白石氏は、HTML5の注目すべき強化点を以下のように挙げる。

■グラフィックス性能の向上
拡大・縮小できるベクターグラフィックスに対応しており、Webブラウザーをリロードすることなくグラフィカルな表現が可能になる
■スマートフォンの内蔵デバイスの利用
スマートフォンに搭載されているGPSやマイク、傾きセンサー、温度センサーなどのデバイスを呼び出して利用できる。アドレス帳やカレンダーなどのデータも参照できる
■オフラインでも利用できるように
キャッシュマニフェストと呼ばれるファイルに命令を記述しておけば、HTMLやCSSなどの必要なリソースをローカルに保存できる。プログラムの読み込みが高速になるだけでなく、サーバーへの負担も軽減できる

 白石氏は「これらの特徴を持つHTML5を使うことで、ネイティブアプリとの機能差が大幅に縮小する。現在、HTML5がものすごい勢いで広まっており、2012年にはホットな話題になるだろう」と語る。ネイティブアプリにはない自由度の高さも指摘した。「ネイティブアプリは、公開時に審査や認証を通す必要があり、希望するタイミングでの公開が難しい。だが、HTML5ならば公開や停止を自由に制御できる。公開期間を厳密に設定したい広告分野のキャンペーンに最適だ」とした。

 「もはやネイティブアプリは飽和状態となっており、差異化がしづらく売れなくなってきている。モバイル向けFlashの開発終了がアナウンスされたこともあり、スマートフォンでリッチな表現をするならばHTML5を使うしかなくなる」と、白石氏はHTML5への移行を後押しした。

(文/磯 修=日経トレンディネット)