人間誰しも美しく生活したいと思っている。それは見た目だけじゃない。中身から美しくということだ。
 それはクルマも同じである。今どきクルマを実用性だけで買う人はいない。だったらトラックやバンでいい。そうではなく、乗る人の身体はもちろん、時には頭や心まで気持ち良くしてくれるから買うのである。それはスタイリングであり、走りであり、質感であり、ブランド性であり、知的興奮を誘うエピソードである。クルマはある意味、五感で味わうプロダクトだ。だから楽しくも難しいのである。
 というわけでこの“ビューティフルカー”では私、小沢が美しさや知的エピソードを中心にクルマを語っていこうと思う。

【コンセプト】気持ちはひとつ、しかし表現とノリはけっこう違う…

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 「モノ作りの底力を信じ、未来のクルマ社会の実現に向けた歩みを一歩一歩、着実に進めてまいります。合言葉は“Fun to drive, again.”。そして“Never give up”です!!」

 初日のプレスブリーフィングで、トヨタの豊田章男社長がそう結んだ時、会場から割れんばかりの拍手が起こった。私も正直、ウルっと来た。だが、同じ復興支援でも各国の表現は違うなぁとも痛感させられたのだった。

 第42回東京モーターショー。それは確かに“復活”のモーターショーである。前回2009年はちょうどリーマンショック直後で、途中で会期を17日間から13日間に短縮、出展社数も海外メーカーの軒並みのキャンセルで109社に半減。展示面積は約半分の2万2594m2になった。

 よって今回は、場所を千葉の幕張メッセから、近くて便利なお台場の東京ビッグサイトに移し、会期をさらに3日間に短縮して10日とし、出展しやすいようにした。

 結果、出展社はフォルクスワーゲン・グループやメルセデス・ベンツなどドイツ勢を中心にかなり戻って来て、世界12カ国から179社が出展、「ワールドプレミア」こと世界初出のクルマも39台から52台に激増! 「ジャパンプレミア」こと日本初出のクルマも38台と増えた。敷地面積も前回から約6割増しだ。

 とはいえ「フェラーリ」「フィアット」をはじめとするイタリア勢や「GM」「フォード」などのアメリカ勢は未出展だし、北欧「ボルボ」もトラック部門の参加のみで、まだ完全復活とはいかない。

 また同じ復活でもそのトーンは、非常にお国柄が出ているのが特徴だった。

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