「mr\.kanso」オリジナルシリーズ第1弾の「だし巻き」の缶詰。550円。10月28日から大阪・本店と東京ベイ幕張店の2店で先行発売したが、好評を受け今後全店舗で販売予定(画像クリックで拡大)

 価格の手ごろさだけでなく、生まれて初めての体験ができるユニークな“缶詰バー”が首都圏に続々オープンし、勢いに乗っている。今年初めに神田店、2月に西新宿店、8月に渋谷店、10月には東京ベイ幕張店をオープン。まもなく浅草店、田町店もオープンする。クリーン・ブラザーズ(大阪市)が企画・運営する缶詰バー「mr.kanso」(ミスター・カンソ)だ。店名は300種類以上の缶詰がズラリと並ぶ缶詰倉庫のようなインテリアと、缶詰以外のメニューがない簡素なスタイルからとったとか。関西を中心に13店舗を展開しているが、今年満を持して首都圏に進出した。

 キャッシュオンデリバリーで自分の好きな缶詰とお酒を選ぶシステムだが、若い人から中高年まで幅広い層に人気がある。「日本と世界各国の缶詰を取りそろえています。トドカレー、クマカレーや世界各国の虫(カイコ、蜂の子、イナゴ)料理の缶詰など珍しいものもあるので、『こんなの見たことない!』という若い方も多く、怖いもの見たさで選ばれるケースも。中高年の方は鯨の缶詰などが懐かしいようです」(クリーン・ブラザーズ広報担当)。ちなみに同店のイチオシは、同社が京都の名店「吉田喜」と共同開発した世界初の「だし巻き」の缶詰だとか。おいしいだしを利かせた関西風のやわらかく上品な味わいの玉子焼きを缶詰にしたもので、確かにこんな缶詰は今までお目にかかったことがない。

 直営店よりもフランチャイズ店が多く、店舗ごとにオーナーの個性を大いに尊重しているのも魅力の1つ。例えば渋谷店は3人の女性が共同経営していて、女性客も入りやすい雰囲気。一方、京都の二条城店では店長が好きな1960~70年代のフォークやロックのイベントで盛り上がれるといった具合だ。10坪前後の広さからオープンでき、缶詰メニューなので調理師免許も不要。開店資金も安くて済むうえ、オーナーの個性を尊重してくれるとあって、「自分のバーを持ちたい」という人にも人気だ。現在、同社にはフランチャイズに関する問い合わせが首都圏を中心に月に100件近く寄せられている。もともと「若手アーティストに作品発表の場をつくりたい」ということからビジネスがスタートした同社。ユニークで創造的な店づくりにシンパシーを感じる人も多いようだ。

(文/志水京子)