文具やバッグなどビジネスパーソンの机周りで使われる最新ビジネスギアの情報をお届けする連載。今回は、2012年版手帳の中から納富廉邦さんに前編、後編に分けて厳選10冊を紹介してもらう。

 数年前から始まった手帳ブームは、年々、そのトレンドの中心を変えながら、今年も継続中のようだ。

 当初は1週間見開きバーチカル型による、タイムマネージメントのしやすさを中心に、細かいスケジュール管理の機能に人気が集中していた。それがスマートフォンの本格的な普及と、景気の停滞によるビジネスシーンの変化もあり、2011年版以降は1カ月見開きのマンスリータイプへと移行しつつある。

 メーカーの広報担当者も、その変化を口にする。手帳をはじめとした文具・雑貨メーカー、ハイタイドの広報 井田氏は「もともと女性や学生にはマンスリーが売れていたが、去年くらいから、社会人男性にも売れ出した」と話す。デザインフィルの広報 中村氏も「昨年発売したマンスリーのフラットファイルダイアリーが、今年は大きく伸びている。プロフェッショナルダイアリーのシリーズも月間タイプの売れ行きがいい」と10月の販売データを分析する。

 こうした売れ行きデータや手帳使いこなしの記事、筆者の周辺から見えてくるのは、デジタルとアナログの併用だ。

 1日の細かなスケジュールはスマートフォンやGoogleカレンダーなどのデジタルで管理し、予定全体を俯瞰するのに便利な紙のマンスリー手帳を使う。これが1つのスタイルとして定着しつつある。スマートフォンは画面が小さく1カ月の俯瞰には向かないが、マンスリー型は融通が利くフォーマットでカスタマイズが容易なのも併用の理由だろう。

 一方で、ほぼ日手帳に代表される1日1ページ型(デイリー)の製品が増加。売れ行きも上々だ。特に東日本大震災以降、日々のことを書き留めておきたいという欲求が高まった。加えて手帳にスケジュール以外のことを書いても構わないという筆記スタイルが一般化。手帳をかつての日記のような、現代風に言えばログノート的な使い方をするユーザーが増えているのだろう。

 スケジュール管理以外の用途での利用が増えたのは確かで、1日1ページタイプ以外にも書き込みスペースが広がった手帳が増加。例えばデザインフィルの「MDダイアリー」は余白をたっぷり取ったデザイン。ハイタイドの「ミニットマネージャー」は手帳のあらゆる余白部分が横罫のノートになったデザイン。以前からあるとはいえ、そうしたアイデアを提示する手帳が再び脚光を浴びている。レイアウトを前面に押し出した「余白手帳」なる製品も登場しているほどだ。