ソニーは2011年9月13日、新型「ウォークマン」を発表した。

 「Aシリーズ」および「Sシリーズ」は従来製品の正常進化版だ。そして新製品として、Androidを搭載した「Zシリーズ」を12月に発売する。「音楽からひろがる新たなモバイルエンタテインメント」をキーワードに、Androidマーケットからアプリケーションをダウンロードできるようにして、音楽以外の楽しさも提供する。

 ソニーは、13日の製品発表会で年末商戦のピークである昨年12月に、携帯音楽プレーヤー市場において販売台数で月間トップシェアになったこと、進入学商戦時期を含む3月〜8月まで6カ月連続で首位となったことを、同社の調査データから示した。携帯音楽プレーヤーでは国内ナンバーワンという地位を獲得していることを強調した。

携帯音楽プレーヤー市場のシェアで3月〜8月まで6カ月連続で首位をキープしているソニー
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 数字の上では競合のアップルを上回っているが、「iPhone」を含めれば、広い意味での携帯音楽プレーヤーとしての利用者数では、アップルの方が上回っていることは周知の事実だ。

 もう1つ、ソニーのトップシェアを評価する上で、気をつけなくてはならない点がある。それは金額ベースでの集計では、依然としてアップルがソニーを上回っているという点だ。

 量販店のPOSデータを集計しているBCNによると、2011年8月の集計で、販売台数ベースのシェアはソニーが54.3%に対して、アップルが36.7%となっている。同時期の販売金額ベースのシェアでは、ソニーの47.9%に対して、アップルは48.5%とソニーより上だ。今年1月〜7月の月別推移をみても、アップルは販売金額ベースで半分以上のシェアを維持している。

 その背景には、「iPod touch」をはじめとする上位モデルの構成比率が高いことがあげられる。

 BCNの調べでは、8月の集計では、iPodシリーズに占めるiPod touchの構成比率は42.4%。今年3月の集計では51.5%になっている。進入学商戦期にiPod touchの構成比率が高いことは、音楽+αの部分が大きく評価されていることの証といえよう。販売金額ベースによる構成比率をみると、3月には68.5%をiPod touchが占めており、iPodの売り上げの3分の2を同製品が稼ぎ出している計算だ。通常月でも6割前後をiPod touchが占めている。

 ここにソニーとの大きな差があるといっていい。

 もちろん、iPhoneを含めた「携帯機器で音楽を聞く」という広い利用シーンでとらえた場合にはソニーが首位ではないこと、そして、携帯音楽プレーヤー単体でとらえた場合にも、販売金額ベースでは2位であることは、ソニーも重々承知している。

 それは同社のウォークマンのマーケティング戦略からも分かる。多くのトップシェアメーカーが行う全方位戦略ではなく、通常、下位メーカーが行う一点突破型のマーケティング手法から今年も脱却していない。