家庭の節電が大きな課題になるなか、機械に頼らず住まいの消費電力を抑え、暑さや湿気を減らして快適に生活するにはどんな方法があるのか。そのためにはいくらぐらいの支出を見込むべきなのか、検証してみた。

日射しを遮り、湿度を下げる工夫が節電につながる

 梅雨も明けないのに早くも猛暑が到来しつつある日本列島では、この夏の電力消費を「昨年比15%カット」するための取り組みが各所で試みられている。なかでも課題とされるのは、エアコンや除湿機などの空調をはじめ、家電に頼りきっている家庭での電力削減だ。

 家の中の暑さを抑えるには、戸外からの暑い空気や日射しを遮ると同時に、室内の湿度を下げる工夫が考えられる。機械(電力)を使わずにそれらを実現する方法として、ここでは窓まわりと屋根・壁まわり、建材に注目してみたい。

窓からの直射日光を遮れば暑さは半減する

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 まず最も重要なのが窓まわりだ。なにしろ夏の戸外から室内に入ってくる熱のうち、7割は窓からのものだと言われている。「単板ガラスの場合、窓から入る熱のうち、65%が直射日光、35%がじわじわと入ってくる暑さです」と話すのは、YKK AP事業本部商品企画部の竹原立明さんだ。つまり直射日光を遮れば、夏の外からの暑さの半分はカットできることになる。

 竹原さんの言う単板ガラスとは、いわゆる一枚ガラスのこと。10年以上前に建てられた一戸建てやマンションでは、新築でも単板ガラスの住宅が少なくなく、つまり窓から熱が入りやすいと言える。これに対し、最近の新築一戸建てでは2枚のガラスを合わせ、間に空気層を設けることで断熱性能を高めた複層ガラスを設置するケースが多い。

 この複層ガラスには金属膜をコーティングしたLow-E(ロウイー)複層ガラスと呼ばれるタイプがある。金属膜を室外側のガラスにコーティングした「遮熱タイプ」は日射しによる熱(日射熱)を約60%カットし、夏の冷房を節電するのに効果的だ。一方、室内側にコーティングした「断熱タイプ」は室内の暖房熱を保つ効果が高く、北海道や東北地域など寒冷地に適している。