イー・アクセスは2011年6月14日、携帯電話サービスを担うイー・モバイルの新製品発表会を開催した。下り最大42Mbpsの「EMOBILE G4」を搭載したPocket Wi-Fiや新しいスマートフォン、そして同社初のタブレット型デバイスなどを投入するイー・モバイルの新戦略を分析する。

下り42Mbps「EMOBILE G4」の利用拡大に踏み切る

 今回の新製品発表において、イー・モバイルが注力しているポイントは2つある。そのうちの1つが、高速通信サービス「EMOBILE G4」の強化だ。

 EMOBILE G4は、現在の3G方式を発展させた「DC-HSDPA」方式を採用することで、下り最大42Mbpsの通信速度を実現するのが大きな特徴だ。通信容量や遅延などの点では劣るものの、多くのユーザーが重視する最大通信速度においては、モバイルWiMAXやLTEに引けをとらない値となっている。データ通信を主力とするイー・モバイルにとって、このサービスが今後大きな武器となることは間違いない。

 だが、EMOBILE G4に対応する端末は、ケーブルを介してパソコンのUSB端子に接続するタイプの「D41HW」のみだった。データ通信端末はUSB端子に直接挿入できるスティックタイプの端末が主流となっているうえ、最近では「Pocket Wi-Fi」に代表されるモバイルWi-Fiルーターに人気が集まっているなか、端末形状が古く、扱いにくいという印象はぬぐえなかった。

 そこで今回新たに、EMOBILE G4に対応したPocket Wi-Fi「GP02」とスティックタイプの「GD01」を投入したのだ。特にGP02は、従来のPocket Wi-Fiと比べてひと回り大きく重い点は惜しいものの、人気のモバイルWi-Fiルーター型端末を急速に増やしている、UQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」に対抗するうえで大きな存在となりうるだろう。

 また、EMOBILE G4の新規購入者に向け、2011年6月17日から9月30日まで「高速モバイル キャンペーン」を実施する。これは、「EMOBILE G4 データプラン(にねんS)」または「EMOBILE G4 データプラン(にねんMAX)」でEMOBILE G4端末を購入した人の月額料金を最大25カ月割り引くというもの。最も安価なケースの場合、キャンペーン適用後に月額3880円で利用できるようになる。さらに対応エリアも、2011年3月末までの人口カバー率が40%となっているのを、2012年3月末までには60%にまで拡大していく予定だという。

 6月16日にはUQ WiMAXが100万会員を達成したほか、ソフトバンクモバイルも、DC-HSDPAを採用したデータ通信サービス「ULTRA SPEED」を一般向けに提供するようになるなど、データ通信分野での競争も、日々厳しくなっている。そうした中でイー・モバイルは高速サービスを、インフラと端末の両方で強化していくことで、競争力を高めていく方針のようだ。

EMOBILE G4に対応したPocket Wi-Fi「GP02」。従来のPocket Wi-Fiと比べるとサイズは大きくなっている(画像クリックで拡大)

同じくEMOBILE G4に対応したスティック型のデータ通信端末「GD01」。USB端子部分が回転し、向きを問わず接続できる(画像クリックで拡大)

インフラ面でも、来年3月末までにEMOBILE G4対応エリアを人口カバー率60%にまで拡大するとしている(画像クリックで拡大)

EMOBILE G4を最安で25カ月間、月額3880円で利用できるキャンペーンも実施。端末、インフラだけでなく、料金面でもEMOBILE G4の利用拡大に向けた施策を示している(画像クリックで拡大)