人間誰しも美しく生活したいと思っている。それは見た目だけじゃない。中身から美しくということだ。

 それはクルマも同じである。今どきクルマを実用性だけで買う人はいない。だったらトラックやバンでいい。そうではなく、乗る人の身体はもちろん、時には頭や心まで気持ち良くしてくれるから買うのである。それはスタイリングであり、走りであり、質感であり、ブランド性であり、知的興奮を誘うエピソードである。クルマはある意味、五感で味わうプロダクトだ。だから楽しくも難しいのである。

 というわけでこの“ビューティフルカー”では私、小沢が美しさや知的エピソードを中心にクルマを語っていこうと思う。

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<コンセプト>
ロングセラーが確実なクルマ

 「ゴルフ カブリオレ」。たとえクルマ好きでなくとも、その名を知らぬ人はあまりいないだろう。世界のベストセラー、実用ハッチバックのフォルクスワーゲン「ゴルフ」の屋根を取り去ったフル4シーターオープンで、トランク容量などを極力保ったままで屋根を開け、“世界で最も使えるオープン”として名を馳せてきた。

 しかし合理的なのか、ケチなのかわからないが、ベースのゴルフが1974年に生まれて6世代目に突入しているにもかかわらず、カブリオレは3モデルしか登場してない。

 初代が1979年というゴルフIの時代に生まれ、2代目が1991年スタートのゴルフIIIの時代に、そしてこの2011年、ゴルフVIの時代になってやっと3代目が生まれたのだ。

 要は飛び飛び十数年に1度しか作られない貴重モデルであり、2006年生まれのゴルフベースのハードトップオープン、「イオス」を強引に兄弟に入れたとしても、ある意味、オーダーが溜まってからしか作られない、多少もったいぶったクルマとも言える。

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