人間誰しも美しく生活したいと思っている。それは見た目だけじゃない。中身から美しくということだ。

 それはクルマも同じである。今どきクルマを実用性だけで買う人はいない。だったらトラックやバンでいい。そうではなく、乗る人の身体はもちろん、時には頭や心まで気持ち良くしてくれるから買うのである。それはスタイリングであり、走りであり、質感であり、ブランド性であり、知的興奮を誘うエピソードである。クルマはある意味、五感で味わうプロダクトだ。だから楽しくも難しいのである。

 というわけでこの“ビューティフルカー”では私、小沢が美しさや知的エピソードを中心にクルマを語っていこうと思う。

上海ショーのもう一つの顔

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 日本の文化はすごい。昔から良いコトワザがあって、最近中国に行くたびに痛感するのが「清濁併せ呑む」のフレーズだ。もともとは中国から来たのかもしれないが、まさに言葉通りで、“清く正しく”だけでもダメ、“汚くしたたか”なだけでもダメ、ともにバランス良くこなしてこそ東の大国での成功がある気がしてくる。それは自動車業界はもちろん、今回のオート上海でも顕著だった。

 というのも前編で語った通り、正門を入り、右列のEブースを見ていくと、欧米の一流ショーさながらの最新トレンドの連続で「日本もヤバイ」とこちらも危機感が募るが、左列のWブースを見ると数年前までのコピー車全開! もちろん台数は減っているが、本質は変わってないなぁ…と感じさせるのだ。

 こちらはこちらで危険だが、同時にホッとさせもする。なぜなら会場を練り歩く中国特有の等身大パンダやゆるキャラ同様、「元ネタはなんだっけ?」と面白探しを挑んでくるようなコピー車の連続だからだ。まさにイラストレーターのみうらじゅん氏のような気分にさせられるのだ。

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