「三洋電機」のヒット商品と、それを生み出してきた開発者や企画者たち、そして三洋電機というブランドの“履歴書”を、まとめていく連載。前回は三洋電機のデジカメのヒット商品「Xacti」以前の動画デジカメ開発秘話を聞いたが、今回はいよいよ「Xacti」誕生秘話となる。

三洋電機 デジタルシステムカンパニー DI事業部 企画三部 企画課 塩路昌宏氏。手にしているのは「iD PHOTO」の詳細が書かれたカタログ(画像クリックで拡大)

 2002年、動画にこだわったデジカメ「iDshot」を改良・向上すべく企画されていた「PCムービー」は、「iD PHOTO」というメディアの生産中止により、新たな局面を迎えていた。

 「iDshot」が発売された2000年12月から、のちに「Xacti」となる新たなデジカメの開発へのゴーサインが出る2002年12月までの間は、企画・開発チームにとってはつらい期間でもあった。

 それでも企画担当者、塩路昌宏氏(三洋電機 デジタルシステムカンパニー DI事業部 企画三部 企画課)はこの時期、「iDshot」のプロモーションのため専門家のもとを訪れ光磁気ディスクに関する資料を作ったり、動画をどうやって使うかという啓蒙活動を行ったり、一方で、“次の製品”開発の下調べを進めたりしていた。

 そこには「パソコンで扱うムービーの楽しさをもっと知ってもらいたい」(塩路氏)という強い思いがあった。ムービーのためには、大容量の「iD PHOTO」というメディアは、可能性があるはずだった。

 結果的には「iD PHOTO」は生産中止となったが、メディアを変えながらも、“ムービーの楽しさの備わったカメラ”“ママが使うカメラ”という路線を継続させての開発が進められることになった。しかも、社内の技術を持ち寄り新しい商品を作るという「事業部横断化プロジェクト」として。