東日本大震災時、ペットを自宅で留守番させている家庭も多かっただろう。直接の被災地でなくとも、ペットを飼っているならば、日ごろからさまざまな備えをしておく必要があることもわかった。『まこという名の不思議顔の猫』の著者、岡優太郎さんに実体験と医師への取材からまとめてもらった。

 館内に流れる初めて聞く緊急地震速報。揺れはいままで体験したことないくらい大きく、そして長い。目の前にある液晶モニターを倒れないようにつかむ。家にいる猫ら3匹は大丈夫だろうか? 本棚は固定してあるけど本が全部飛び出したとしたら? まさか火事になっていないだろうか?

 東日本大震災があった2011年3月11日、よりによって自分は裁判員に選任されており、東京高等裁判所で裁判中だった。

 普段は自宅にほど近い事務所で仕事をしているのだが、この日は都心部に勤める多くの人たちと同じく、自分も歩いて帰るしかなかった。妻とも連絡がとれず、とにかく急いで帰らなければと霞ヶ関からがむしゃらに早歩きをし、3時間ほどでようやく家に辿りついた。

 猫たちはいつもよりにゃあにゃあ鳴いて(地震の報告)はいるものの無事。家の物的被害も皿が1枚割れた程度。ひと足先に着いた妻と、自宅が遠いため避難してきていた友人ともどもほっとした。しかしそれもつかの間、今度は原子力発電所の問題が…。人間の不安が猫らにも伝わったのか、その週末はニュースに食い入る自分たちの側から3匹とも離れなかった。

 東京にも大地震が起こるかもしれないという不安。また、なにが起こるか予測がつかない原子力発電所の影響に、犬や猫を飼っている人はどうしたらいいのか? そのための備えを含めて、犬猫専門の先端治療を行う動物病院「東京動物医療センター」で話を聞いた。

大きな揺れでも寝ているときは全然気にしない肝っ玉まこ(画像クリックで拡大)