母乳は、母が子を育む温かくて栄養豊かな自然の贈り物だ。母乳育児を普及させる取り組みが多くの自治体で進められている。厚生労働省の調査によると、母乳を与える機会は20年前に比べて増加している。そんななか、おでかけに便利な「授乳服」は、ひと昔前の“いかにも授乳服”に見えるデザインを敬遠する母親が多くなった。最近は、“普段と変わらないおしゃれが楽しめて、しかも授乳機能付き”がトレンド。この分野では後発の良品計画も、2011年は発売2年目にして売上高3倍を目標に拡販する。“授乳服に見えない授乳服”とは、一体どんなデザインなのか。

そもそも授乳服とはなにか

 授乳服とは、特に外出先で服を着たまま赤ちゃんに母乳をあげるための服である。その特徴は、「授乳口」(じゅにゅうこう)と呼ばれる“開き口”があること。そこから乳房を出して赤ちゃんに飲ませる。その授乳口を、使いやすさとおしゃれの両面で、いかに服のデザインの中に組み込むかが商品のポイントになる。

 厚生労働省は調査による母乳育児の現状を以下のようにまとめている。1985年以降、生後1カ月および3カ月で母乳のみの保育はやや減少したものの、母乳と粉ミルクを併用する混合栄養を含めると、母乳を与える機会は増えている。

母乳は、赤ちゃんにとってほとんどパーフェクトな“マルチドリンク”

 母乳は、血液を原料に、ホルモンのはたらきによって乳腺の腺房でつくられる。その成分は、赤ちゃんを育てる栄養としてほとんどパーフェクトで、母乳育ちの赤ちゃんは病気をしにくいと言われる。粉ミルクなどの人工栄養よりも優れているのは、免疫物質が含まれる点だ。特に出産後、初めて出る初乳に、通常の母乳の10~20倍の量の免疫物質が含まれ、赤ちゃんは生後半年間、病気に対する抵抗力をもつことができると言われている。分娩から10日を過ぎると、母乳成分のバランスと量は初乳とは異なるが、たんぱく質、各種ミネラル、脂肪や乳糖など赤ちゃんの体に必要なものがほとんどすべてが適量含まれるため、国も母乳育児を推奨している(厚生労働省の授乳関連資料はこちら)。