生徒全員が臓器提供を目的としてこの世に生を受けたクローン…

(画像クリックで拡大)

 こうして幕を開けた物語は、続いて彼女の子ども時代、寄宿学校ヘールシャムで過ごした日々へと舞台を移していく。田園地帯にひっそりと佇み、外界から完全に隔絶された学校で、キャシーは親友のルースやトミーと共に絵や詩の創作に励みながら過ごしている。

 子どもたちは先生の言うことをよく聞き、校庭で遊ぶなど、一見、どこにでもある風景だ。だが、ちょっと違うのは物々しいまでの管理体制。校庭の周囲に張り巡らされたフェンスより外に出てはいけない。手にはセンサー付きのブレスレットのようなものをはめている。そして、校長先生は全生徒を前に「この学校の生徒は特別なのです」と言う。

 そう、この学校には“ある秘密”が隠されているのだ。それは、生徒全員が臓器提供を目的としてこの世に生を受けたクローンであること──。

(画像クリックで拡大)