4人の日本人が賞を獲得し大きな話題となった今年のグラミー賞。最近はビジュアル系バンドやアニソンシンガー、AKB48などのアイドル勢が海外でライブを行うなど、J-POPアーティストの海外進出がとても目立ちます。

 そこで、現在発売中の「日経エンタテインメント!」4月号では「世界が認めた日本のエンタテインメント」との特集を企画。マーティも「the GazettE」「GACKT」「SuG」などのビジュアル系を分析してくれました。今回は、この「延長戦」も連動し、グラミー賞を受賞したB'zの松本孝弘、そして海外でも人気の高い「YUI」「SCANDAL」をメタル斬りします。

 先日発表されたグラミー賞で、B’zの松本孝弘とラリー・カールトンの競演アルバム『Take Your Pick』が 「最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞」を受賞したよね。松本さんは僕のメル友だし、同じギタリストとしてめちゃめちゃ尊敬しているから、今回の受賞も、自分のことのようにうれしかったです。本当におめでとう!

 ラリー・カールトンは、米国ジャズ界のレジェンドと言っていい大御所のギタリストです。このアルバムの聴きどころは、そんな2人のプレースタイルを聴き比べながら、それぞれの良さを楽しめることだと思います。

 例えば松本さんが手がけた1曲目の『JAZZY BULLETS』。ちょっとカントリーっぽいノリの入ったアップテンポのナンバーだけど、カールトンのプレーと比べると、松本さんのギターの方がより“メロディー”を大事にしていることがよく分かるはずです。どんなに面白いフレーズを弾いてるときでも、基本のメロディーを絶対に見失わないで、ちゃんとしっかりキープしてるじゃん。これはきっと、美しいメロディーを大事にするJ-POPの世界でずっと活躍してきた経験から、自然と磨かれていったスタイルなんじゃないかな。

 一方のカールトンは、松本さんほどはメロディーにこだわらない“抽象的”なプレーで対抗しています。ただ、彼は米国のジャズシーンの中で一番“歌心”のあるギタリストだし、メーンストリームの心もちゃんと分かっているミュージシャンだから、松本さんとの意思疎通はバッチリです。

 ギタリストの競演で失敗するパターンは、スタイルが似すぎてて退屈になっちゃうか、逆に、離れすぎてて支離滅裂になっちゃうかのどちらかです。その点、この2人のコラボレーションは、お互いがそれぞれのプレーの良さを引き出し合っていて、まさに理想的な関係じゃん。グラミー賞も受賞したことだし、今回限りの企画じゃもったいないから、今後もぜひ続けてほしいな!

Larry Carlton & Tak Matsumoto
「JAZZY BULLETS」
アルバム『TAKE YOUR PICK』の1曲目。「異ジャンルの融合って大好き! 僕もいつかこういうデュエットアルバムを作りたいです」