B'zの松本孝弘など、4人の日本人が賞を獲得し大きな話題となった今年のグラミー賞。最近はビジュアル系バンドやアニソンシンガー、AKB48などのアイドル勢が海外でライブを行うなど、J-POPアーティストの海外進出がとても目立ちます。  そこで、現在発売中の「日経エンタテインメント!」4月号では「世界が認めた日本のエンタテインメント」との特集を企画。マーティも「the GazettE」「GACKT」「SuG」などのビジュアル系を分析してくれました。今回は、この「延長戦」も連動し、海外でのライブ経験を持つSuperfly、そして人気ビジュアル系バンドの「シド」「ナイトメア」をメタル斬りします。

 最近、日本人のアーティストが海外でライブや音楽イベントに出演して、現地のメディアでも話題になった……というニュースをよく耳にするよね。この連載でずっと「J-POPのグローバル化」を予言しつづけてきた僕にとっては、ほんとにうれしい現象だよ。

 2009年にウッドストック・フェスの40周年記念イベントに出演したSuperflyも、そのなかの一人です。彼女がサンフランシスコでジャニス・ジョプリンのバンドと共演したときのドキュメンタリーを見たことがあるけど、ジャニスの魂が乗り移ったようなボーカルに心から感動しました。僕も日本に来てから八代亜紀さんや石川さゆりさんといったあこがれのアーティストと共演できたけど、Superflyとジャニス・バンドの夢の共演は、ある意味、その逆バージョンだよね(笑)。

 去年リリースされた『Wildflower & Cover Songs』には、洋楽のカバーソングが15曲収録されています。正直言うと、その選曲を最初に見たときには、かなりびっくりしました。ほとんどが60年代後半~70年代前半に書かれた曲で、昔ヒッピーだった50~60代の人たちが好きそうな地味な曲ばかりだったからです。今のアメリカの若い女の子なら、たぶんこのうちの1~2曲しか知らないんじゃないかな。

 でも、Superflyの洋楽カバーが素晴らしいのは、元の歌のスピリットを守りながら、サウンド的には、最新のJ-POPとまったく変わらないクオリティーにアップデイトしてくれていることです。特に新録の『Fooled Around and Fell in Love』なんて、豪華なアレンジのおかげで、エルビン・ビショップの元のバージョンより全然いい曲になってるじゃん。忘れられた名曲のいい部分を引き出しつつ、古臭くなっている部分はちゃんと「仕分け」できるセンスこそがSuperflyのかっこよさの秘密なんだなと、改めて感激しました。

Superfly
「Fooled Around and Fell in Love」
『Wildflower & Cover Songs』に収録。「フリートウッド・マックの『リアノン』のカバーもよかった。昔、僕のギター練習曲だったんだよ」。