アーネル氏が手がけた丸井のロゴマーク

同じくアーネル氏が手がけたペプシのロゴマーク

 ブランド構築の重要性と難しさは、ビジネスパーソンにはもはや言うまでもないだろう。その世界的エキスパートであるピーター・アーネル氏がプライベートで来日した。ファッションブランド、ダナ・キャランのブランド構築をはじめ、ペプシの笑顔を連想させる丸いロゴマークや丸井のロゴのリ・デザインなど、アーネル氏の仕事は我々の身近にあふれている。今回、アーネル氏の著作を昨年刊行した早川書房の厚意により、『日経デザイン』での単独インタビューが実現した。数々の成功を収めたアーネル氏に、日本の企業の現状を踏まえて聞いた。

 まず、氏の考える優れたブランド構築とはどのようなものなのか。

 「優れたブランディングとは真理を伝えているものだ。しかし、消費者に真の姿でメッセージを伝えようとしない企業が非常に多いのが現状だ。また、インフラの発達で世界を意識することも、より重要になってきている」と氏は言う。

 世界を相手にするという点で、日本の家電メーカーは韓国企業に猛追され追い抜かれた。サムスン電子のブランディングを手がけた氏は、原因をどう見ているのか。

 「私の中で日本は、いまだにナンバーワンだ。ただ企業のメンタル面は、そう思えない。サムスンは電子レンジやテレビから着実に成長した。観察し、学習している。自前のデザインスクールも開設した。日本企業は成功してハングリーさを失っているようだ。また携帯電話機に見られたように、閉鎖的で内向きな戦略にも問題がある」