JR大阪駅北側に2011年5月4日開業するファッションビル「ルクア」の概要とテナントが発表された。ルクアはJR大阪三越伊勢丹などが入居する「ノースゲートビルディング」の地下1〜10階にオープンし、店舗面積は2万平方メートル。20〜30代のトレンドに敏感な働く女性をメインターゲットとし、梅田地区最多の198店舗が集結する。

 第一次商圏は大阪府高槻市から兵庫県芦屋市までと北摂から難波までのエリアに設定。そのうちの約248万人の男女をターゲットに「手の届く贅沢、高感度で洗練されたライフスタイル」を提案する。また、「ここにしかない価値を提供する梅田地区でナンバーワンのファッションビル」をめざす。

 初年度売り上げ目標は250億円、入店客数は1900万人を想定。日本有数の激戦区となる梅田に新規開業することについて、同ビルを運営するJR西日本SC開発の中山健俊社長は「ルクアはまったくゼロからのスタート。北ヤードの開発が2年遅れたことも大変な痛手になった。2年後は大阪駅北地区の中心になり、追い風が吹くと思うが、それまでどう戦っていくか。危機感を持って取り組んでいる」と語った。

 北ヤードを中心に再開発が進む大阪梅田地区では、今春から来春にかけて百貨店の改装、新規開業が続く。2011年3月にはJR大阪駅南側の「サウスゲートビルディング」に大丸梅田店が増築オープン。ルクアの西側にはJR大阪三越伊勢丹も同時開業する。さらに2012年春は阪急百貨店梅田本店が日本最大級の百貨店としてグランドオープン。既存のファッションビルや商業施設を巻き込み、小売りの大激戦区になるのは必至だ。

 そんななかでルクアは、これまでのファッションビルとは一線を画す戦略で生き残りをかける。「社員自らが市場調査し、計画して実行する。これを愚直に続けてきた」(中山社長)。加えて、他店との同質化が避けられない商品よりも、販売サービス、運営などソフト面に力を入れ、他店と差異化を図る考えだ。

JR大阪駅と直結した「ノースゲートビルディング」の東側にオープンする「ルクア」。西側にはJR大阪三越伊勢丹が出店する(画像クリックで拡大)

社員自ら市場調査からテナント誘致、教育まで手がける

意気込みを語るJR西日本SC開発の中山健俊社長

 「梅田にある数多くの小売りのなかから一番に選んでもらえるファッションビルを作りたい」(中山社長)。ルクアの店舗づくりはこの思いからスタートした。思いを実現するために、従来のファッションビルとは異なる取組みを行っている。

 通常、商業施設の開発は外部のコンサルタントや調査会社などに依頼することが多い。しかし、ルクアでは社員自身が市場調査から基本コンセプトづくり、商圏設定、ゾーニング、テナント誘致までの大部分を行った。またターゲットと同世代の女性社員8人の意見を取り入れるなど、外部に依存しない施設づくりをめざしている。

 運営体制においても同様だ。多くのファッションビルではシーズンやオケージョン(購買機会)などの打ち出しが店舗ごとに行われているが、ルクアでは全館で統一して訴求することにより集客力を高めていく。

 さらに専任のフロアマネージャー11名を各階に配置。顧客の要望や不満を把握し、店舗とのコミュニケーションを図る窓口としての役割を担う。接客サービスやVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の教育担当も専任4名を配置し、サービスレベルの向上を図っていく。社員研修も充実させ、社員自身が365日店舗にアドバイスができるような体制をめざしている。