人間誰しも美しく生活したいと思っている。それは見た目だけじゃない。中味から美しくということだ。

 それはクルマも同じである。今どきクルマを実用性だけで買う人はいない。だったらトラックやバンでいい。そうではなく、乗る人の身体はもちろん、時には頭や心まで気持ち良くしてくれるから買うのである。それはスタイリングであり、走りであり、質感であり、ブランド性であり、知的興奮を誘うエピソードである。クルマはある意味、五感で味わうプロダクトだ。だから楽しくも難しいのである。

 というわけでこの“ビューティフルライフカー”では私、小沢が美しさや知的エピソードを中心にクルマを語っていこうと思う。

日産「サニー」と志賀俊之COO(画像クリックで拡大)

日産「サニー」が中国限定で復活

 前編に続き、2010年12月の広州モーターショー出展車両を紹介する。“プライベートブランド”戦略ほどではないが、これまた現地化を顕著に感じたのが世界初登場の大衆セダン、日産「サニー」だ。こちらは日本人COOの志賀俊之氏がプレゼンを行ったが、最初の1分ぐらいは完璧な中国語。現地人ジャーナリストが、仲間と目を見合わせていたくらいで、後に尋ねたところ「前に中国担当で何年か滞在してたんですよ」とのこと。

 内容的には「Sunny is BACK」と宣言。サニーは03年に、東風日産が出来たときのメインモデルで、いまだに「Sunny life」とイメージされるほど中国で認知度が高いのだ。もしや60年代にホンダのスーパーカブが「Nicest people on a HONDA」とのキャッチコピーで認知を上げたのと似ているかもしれない。

 ただ、面白いのは「Sunny」の名前が、日産社内では既に死んだ名前であり、「セドリック/グロリア」同様、国際的には今後使うつもりはないこと。中村史郎氏も「中国以外では使わない、って言っておかないと誤解されるかもしれない」と言っていたくらいで、要は社内規定を破ってまで「Sunny」の名を使ったのである。

志賀COO(左)と筆者(画像クリックで拡大)