元々遺伝的な素因があるところに、過食や運動不足、肥満などの生活習慣が加わって糖尿病に陥る人が多く見受けられる。軽いうちは症状が無いから厄介である。ある程度進んでくると口が渇く、口の中が粘る、尿の回数が増えるなどの症状が現れる。現在は健診で見つかることが多いが、多食、多尿、多飲が糖尿病の三大症状といわれている。

 糖尿病は放っておくと網膜症、腎症、神経障害を合併して心臓疾患、脳血管障害の基礎となる動脈硬化を促進する。

 西洋医学では食事、運動療法のほかに血糖降下薬、インスリンなどが用いられる。

 漢方の時代には検査機器もなく、糖尿病という概念は無かったが、古典では「口渇が激しく水を飲んでも体内で消え尿が出てこない」ことを「消渇」と表している。一般に多飲、多食、多尿の病症を指しており、後に消渇が糖尿病に相当すると考えるようになった。

 消渇は病期から「上消」「中消」「下消」と三消に分けている。上消は口渇して水を飲むが、小便が飲む以上に出てやせていく。中消は多食するのに腹が減り体重も減っていく。下消は粘性の尿、多尿、舌が赤いなどである。

 漢方薬は西洋医学の補助的な役割で、自覚症状の改善、合併症の発症、進展予防が主である。よく使われるのが「八味地黄丸(はちみじおうがん)」「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」などである。