ベストセラー作家・村上春樹の代表作の1つ『ノルウェイの森』が、1987年の刊行以来20余年の時を経て、ついに劇場公開される。映画化されること自体が奇跡と謳われているこの作品。その奇跡が起こるまでの軌跡に触れながら、どんな映画に仕上がっているかをご紹介していこう。

自殺した親友の恋人との関係、苦悩、深い喪失感…

 主人公は東京の大学に通うワタナベ(松山ケンイチ)。彼には高校時代にキズキ(高良健吾)という親友がいたが、そのキズキが自殺。そんなこともあってワタナベは、誰も知り合いのいない東京の大学を選び、新しい生活を始めるのだが、ある日、キズキの恋人だった直子(菊地凛子)と偶然再会する。

 キズキが生きていたころ、ワタナベも直子もキズキを交えて一緒に遊んだものだった。それゆえに同じ悲しみと喪失感を有する2人は、徐々に親交を深めていき、直子が20歳の誕生日を迎えた日に、初めて関係を持つことに。だが、関係を持った直後、直子は東京のアパートを引き払ってしまう。

 突然の直子の行動に、自分が彼女を傷つけてしまったのではと悩むワタナベ。直子はより深い喪失感を抱え、京都の療養所に入院していたのだ。そんな折りワタナベは、同じ大学に通い、小動物のように瑞々しい魅力を放つ緑(水原希子)と出会う──。

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