今年2月に会社更生法を申請し、経営破たんしたウィルコム。その後ソフトバンク傘下となったことで更生計画が認可され、12月1日に久しぶりとなる新戦略発表会が開催された。自社網以外でも500回、10分間の通話が無料となる「だれとでも定額」を武器に、復活を果たそうとしている同社の戦略に迫ってみよう。

その後、ウィルコムはどうなった?

 まずはウィルコムのこれまでの動きについて、簡単に振り返ってみよう。

 2月18日に会社更生法を申請したウィルコムは、アドバンテッジパートナーズとソフトバンクによる支援を受け、3月12日に再生計画を発表。これにより、ウィルコムが所有していた次世代高速通信の「XGP」事業と、基地局のロケーションは分離され、ソフトバンクらが設立する新会社(Wireless City Planning)へと移行。ウィルコムはPHS事業のみを継続する形となった。

 8月2日、ウィルコムはソフトバンクとスポンサー契約を締結。8月5日にはソフトバンクから管財人が派遣されることが発表された。これによってウィルコムはソフトバンクの傘下で再生を図ることとなり、その後10月14日に更生計画を提出。11月30日にその認可が下りたことで、ようやく再生に向けた動きを進めた。

 これまでの同社の歴史を振り返ると、当初は「DDIポケット」の名称で、DDI(現在はKDDI)傘下でPHS事業をスタートさせた。その後、携帯電話事業(現在のau)に注力するKDDIからノンコア事業と見なされたことにより、グループを離れ独立。そして、KDDIのライバルであるソフトバンクの傘下に収まるという運命をたどることとなった。

 カバーしているユーザー層という視点で見ると、ウィルコムとソフトバンクの組み合わせは意外と相性が悪くない。ウィルコムが現在、支持を得ているのは、特に女性を中心とした若年層と法人需要だ。一方、ソフトバンク傘下のソフトバンクモバイルは、最近ようやくiPhoneで徐々に伸ばしてきているものの、この2つのユーザー層は長い間、弱みとなっていた部分だ。そうした弱点を埋めるという意味でも、ソフトバンクがウィルコムを獲得したことには意味があるように思える。

ウィルコムはポップなカラーの「HONEY BEE」シリーズで、ソフトバンクモバイルの弱みでもある若年層に高い支持を得ている。写真は新機種の「HONEY BEE 4」(画像クリックで拡大)