ソニーは2010年9月10日、AVCHD形式の家庭向けモデルでは世界初(同社発表)のレンズ交換式デジタルビデオカメラ「NEX-VG10」を発売した。同社が6月に発売したデジタルマイクロ一眼「NEX-3/5」と同じEマウントに対応するモデルで、別売のアダプターを利用することでデジタル一眼レフ「αシリーズ」用のAマウントレンズも装着できる。

 前編に引き続き、レンズ交換式デジタルビデオカメラを開発した狙いについてインタビューしていこう。

マイクとEVF(電子ビューファインダー)の設計にこだわり

電気系の設計を担当したソニー パーソナルイメージング&サウンド事業本部 GP商品部6課の橋本桂一氏(画像クリックで拡大)

増田: ハードウエアの設計で、こだわった部分、苦心した部分はどこでしょうか。

橋本氏: ムービー対応のデジタル一眼にはない魅力として、VG10の上部、つまりマイクとEVF(電子ビューファインダー)の設計にこだわりました。マイクは4個の無指向性マイクの音を信号処理することで、セパレーション(音の分離性)と指向性の良いステレオ録音ができる本格的なマイクを採用しています。EVFはプロ用カメラの仕様で、マニュアルフォーカスでピントの山がわかる115万2000ドット相当の高解像度EVFを採用しました。

増田: 確かに液晶のEVFとしては高精細でピントの山がつかみやすいですね。マイクはレンジが広く、ステレオ感や指向性がとても明瞭で今までのハンディカムとはリアリティーが違う印象でした。欲を言えば、2chステレオ録音なので、ここまでぜいたくなマイクなら5.1ch録音に対応してほしかった気がします。この点についてはいかがでしょうか。

橋本氏: 5.1ch音声に対応すべきかどうかという議論もありました。しかしデジタル編集を考えると、サウンド編集のしやすい2chを採用し、今までにないステレオ感や音質を追求したほうが良いという結論に至りました。コンシューマー機ではトップレベルの録音音質を実現できたと考えております。

4個の無指向性マイクによってステレオ感ある音声を実現している(画像クリックで拡大)

風切り音を低減するウインドスクリーンも付属する(画像クリックで拡大)